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ビッグデータ活用の現場から

パーソナライズメール実装プロジェクトの舞台裏 ─ リクルート式ビッグデータのビジネス活用最前線

F/Sから本格運用へ

 本プロジェクトのF/Sは大成功を収めたのですが、コストはミニマムにすべしという制約の中、事業側は配信のたびに配信対象原稿の手動抽出を実施、一方データサイエンスチーム側はファイルコピーやSPSS Modelerの起動をエラーハンドリングなしの簡易処理で制御していたため、そのまま運用を続けることは負荷の観点から不可能でした。

 また、昨年の本プロジェクト実施時点では、(事業の持つインフラ環境が現在と異なる状況でもあったので)演算処理の複雑性からシステム開発コストが見合わない、という判断がされ、当該事業においてのアルゴリズム開発は一旦役割を終えました。

 ただ、情報サイトでのレコメンド(人気アイテムによらない、全体最適を実現するレコメンド)の可能性を十分に見いだすことができ、この時実装したアルゴリズムの骨子や得られた知見は、その後、別事業でも展開され、さらなる進化の道を歩んでいます。

「できる」は実現可能な状態を作り出せて初めて言える言葉

 10月のリクルートグループの再編と時を同じくして、データサイエンスチームはHadoopを推進するエンジニア組織と合併してビッグデータグループになりました。昨年は諦めざるを得なかったシステム開発がぐっと身近になり、データサイエンスチームの開発したアルゴリズムがHadoop上で実装される状態を実現しつつあります。

 技術的に実現可能なことを「できる」と表現する人がいますが、私は「できる」という言葉の意味を「実際に実現できている状態を作り出せること(かつそのための推進力も持ち合わせていること)」と考えます。

 一人で実現できることは少ないかもしれませんが、ビッグデータグループの多様な専門性を活かして、今後もレコメンドの進化を加速させていきたいと考えています。

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この記事の著者

清水 英子(シミズエイコ)

株式会社リクルートテクノロジーズ
ITソリューション部ビッグデータグループ データサイエンスチーム

2002年、数理・情報科学(修士課程)を修了し、同年株式会社リクルートに入社し、『リクナビ』、『ゼクシィnet』、『赤すぐnet』、『じゃらんnet』など多数のシステムの企画・設計を担当。2007年、インタ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

株式会社リクルートテクノロジーズ ビッグデータグループ データサイエンスチーム(カブシキカイシャリクルートテクノロジーズ ビッグデータグループ データサイエンスチーム)

ビッグデータグループ
リクルートグループの情報活用を全社的に担っている機能組織。分析者、技術者、ハイブリッド人材がなどの様々な人材が数十人規模で所属。リクルートにあるWeb、クライアント、カスタマー等の様々な情報を使ったイノベーションに日々取り組んでいる。

データサイエンスチーム...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/12/14 08:00 https://markezine.jp/article/detail/16850

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