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統括編集長インタビュー

焼き鳥を焼きつつ、スマホから片手間でクーポン配信
O2O支援サービス「LINE@」始動


 LINEを提供するNHN JapanがO2O支援サービス「LINE@」の提供を11月に発表、12月4日に申込受付も開始した。NHN Japan 取締役 ウェブサービス本部代表の出澤氏にLINE@リリースの背景を聞くとともに、実際に実店舗ビジネスを展開する経営者にLINE@の印象について教えてもらった。

圧倒的な集客力とレスポンス力でスモールビジネスを支援

 「これまでのネットマーケティングにはない圧倒的な集客力とレスポンス力で、スモールビジネスを展開する企業さんを支援していきたい」(出澤氏)

 11月19日、無料通話・メールアプリ「LINE」を運営するNHN Japanは、店舗・メディア・公共団体向けのビジネスアカウント「LINE@」の提供を開始すると発表。12月4日から申し込みページを公開した。

 既に提供している企業向け「LINE公式アカウント」は、日本コカ・コーラ、ローソン、ファミリーマート、CCCなどの大手企業での活用が進んでいる。1~2週間で数十万のアカウントを獲得できる集客力や、クーポン配布で約10万人の店舗送客を実現する動員力など、「人が動く」媒体として各クライアントから高い反響を得ている状況だという。一方で、月額250万円~という価格帯は中・小企業にとっては手が出しにくい状況にあったが、今回発表したLINE@は、低価格での提供となり中・小企業でも手が出しやすい料金体系となっている。LINE@提供の背景について、出澤氏は次のように話す。

NHN Japan 取締役 ウェブサービス本部代表 出澤剛氏
NHN Japan
取締役 ウェブサービス本部代表
出澤剛氏

 「現在、LINEはインフラ化戦略を進めている最中です。インフラ化を進めるにあたってFacebook認証機能の導入、LINEで送るボタンの公開といった、より多くのユーザーにLINEを使ってもらう、知ってもらうという施策やLINEサポーターズというLINEを成長させるためにユーザーからの声をいち早く反映する仕組みの導入をはじめています。また、公式アカウントについても多くの企業様、それこそ美容室や飲食店を経営している方などからも利用したいという声を頂いていたため、公式アカウントの廉価版にあたるビジネスアカウントという形態で、LINE@の提供に踏み切りました」(出澤氏)

 LINE@の料金体系は以下の通り。初期費用が5,250円、月額費用も5,250円(※開始月を含む3か月は無料)という料金体系は、LINEでのマーケティングを一度試してみたいと考えている、企業にとって魅力的に映る。しかし、LINE@は公式アカウントのようなLINE内での露出はなく、LINE@のアカウントの告知は自分たち自身で行う必要がある。この点が公式アカウントとLINE@の大きな違いの1つだ。

LINE@料金体系

 初期費用:5,250円(税込) ※パブリックアカウントは月額費用も含め無料

 月額費用:5,250円(税込) ※開始月を含む3か月間は無料。以後1か月ごとに契約自動更新

 審査期間:申し込みより5~10営業日

 購読者数:1万人まで ※パブリックアカウントは無制限

 配信数上限:なし

 LINE内掲載:なし(LINEの[その他]>[公式アカウント]内には掲載されない)

 「一斉メッセージ配信ができる点は公式アカウントと同じですが、LINE内での露出はありません。LINE@のアカウントへは個別にIDをふるので、LINE内でのID検索は可能です。また、QRコードを発行する機能もあるので、例えば店舗内にQRコードを貼るなどして、自分たちでユーザーを集めていただくことも可能です。TwitterアカウントやFacebokページを作った際に告知ポスターを目にする機会があると思いますが、同じようなイメージで捉えていただければと思います」(出澤氏)

LINE内にお店のページを持てるPRページ機能もある(LINE@ページより転載)
LINE内にお店のページを持てるPRページ機能もある(LINE@ページより転載)
PRページはプレーン、クーポン(全員配布)、クーポン(抽選)の
3パターンで作成可能(LINE@ページより転載)
PRページはプレーン、クーポン(全員配布)、クーポン(抽選)の3パターンで作成可能(LINE@ページより転載)

 また、LINE@アカウントで獲得できる購読者数は1万ユーザーまでという制限を設けた。1万ユーザーを超えた場合はNHN Japanから個別の案内が届くようになるという。「TwitterやFacebookの傾向を見ても通常の一般的なお店であれば、1万以上のユーザーを獲得するのは至難の技。そのため、大体1万ユーザー内に収まるのではないかと想定しております」(出澤氏)

 アカウントの種類は、飲食・アパレル・美容・宿泊施設などの実店舗を運営する事業主向けの「ローカルアカウント」、新聞・テレビ・ラジオ・雑誌など向けの「メディアアカウント」、地方自治体などの公共団体、高校以下の学校・教育団体向けの「パブリックアカウント」の3種を用意。オンラインメディア・ECサイト運営などインターネットサービスを主事業としている企業については、現時点では対象外としている。3種類のアカウントを用意した点について、出澤氏は次のような理由を教えてくれた。

 「まず、ローカルアカウントは、飲食店、美容室など実店舗向けのサービスとなるので、いわゆる実店舗への送客をお手伝いさせていただきたいという目的です。また、メディアさんからも利用したいという要望を数多く頂いておりましたので、メディアアカウントも用意しました。媒体力を持つメディアさんであれば、LINE@との相性はよいのではないでしょうか。

 同様に自治体さんからも問い合わせが多い状況でしたので、パブリックアカウントを用意しました。実はLINEは元々、東日本大震災がきっかけで現在のようなメッセージングサービスになったという背景があります。緊急時の連絡網としても利用いただきたいという想いがあり、パブリックアカウントは無償とさせていただきました」(出澤氏)

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/12/11 11:37 https://markezine.jp/article/detail/16853

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