Webデザイナーがリアルに困った(3)パンフレット丸投げ依頼
今までに何度か経験があるのが、中小の企業さんからサイト制作の依頼を受け、話を伺ってみると、会社案内のパンフレットを渡されて、「この内容でお願いします」というケース。
サイトの規模もそれほど大きくはないのですが、それでも企業の顔となるサイトです。いくら会社案内のパンフレットにその企業の情報が凝縮されているといっても、ホームページをつくる目的やターゲット、扱っている商品やサービスをどのように見せるべきか、パンフレットでは表現しきれていないことはないか、そういったことをよく話し合った上でサイトの提案をしたいものです。
たとえば、会社案内のパンフレットには、当然、サイトのURLを掲載することになるかと思います。そうであれば、パンフレットをみたお客様にとって、パンフレットとまったく同じ内容のサイトは意味を成さないことになります。
そもそもパンフレットは印刷物。直接手に触れ、紙をめくっていつでもみることができる反面、物理的に掲載できる情報量に限りがありますし、頻繁に更新できないという弱みもあります。対するホームページは掲載情報量に制限はなく、更新もリアルタイムで行えます。さらに音声や動画などの表現手法をとることも可能です。
サイトとしてどういう見せ方が最適なのかを提案するのは制作側の役目ではありますが、完全に丸投げされるのも困りもの。制作サイドは対象となる業界情報には素人です。重箱の隅をつつくようにデザインの端々まで指示する必要はありませんが、その業界のプロである依頼者にしかわからないこともあるはず。自分が住む家を建築家と一緒につくりあげるように、サイトもいいものにしていきたいですよね。