ディスプレイアドネットワークでは、「データ」と「クリエイティブ」がカギ
MZ:では、高田さんの担当されている「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)」のリニューアルのポイントは何でしょうか。
高田:我々はどんな資産を持っているのだろうかとあらためて見直したときに、やはり「データ」と「リーチ」の2つの言葉に集約されます。「メディアとしてリーチを持っている」というのはわかりやすいんですが、広告プロダクトとしては「データ」が重要。とはいえ、いわゆる「ビッグデータ」の世界のように難しいことを言っているつもりはないんです。
「データがいっぱいある」といっても、私たちの世界で使えるデータというのは「消費のデータ」。何かを見ているデータよりも、何かを探しているデータ、何かを探しているデータよりも、何かを買ったデータのほうが価値が高いんです。

そして、「(広告で)行動を起こすことにフォーカスします」と宣言した瞬間に、我々にとって最も価値の高いデータは「行動データ」ということになった。「買う」「申込む」というように、よりコンバージョンに近いデータを重視して、そうでないデータはライトに使う。ですから、リニューアルにあたって見直した一番のポイントはデータで、そのために昨年提携をしたわけです。
MZ:MediaMind、Criteo、BrightTagの3社との提携ですね。
高田:私たちでできることとパートナーシップの両立というのが、特にYDNの領域ではテーマになっています。私たちにしかできない価値があれば提供しますし、私たちよりも優れている会社があれば、広告主のため、ユーザーのために一番良いものをお届けするというのが正しい姿だと思っています。
MZ:そうした関係を構築し、これからチャレンジしていきたいことは何でしょうか。
高田:YDNに関しては、消費につなげるために「データを使い倒す」ということ。もうひとつは「クリエイティブ」です。クリエイティブを情報化していくことにチャレンジしていきたいと思っています。パフォーマンス・ディスプレイの世界でも消費を喚起することがゴールなのですが、目指しているのは「記事」なんです。目指すクリエイティブとしては、そちら側にいきたい。ひとつの広告のキャンバスの中で、消費者が買うための情報をどれだけ鮮度高く伝えられるか、その方向に進化させていきたいと思っています。