基調講演には,オーバーチュア株式会社 マーケティング マネージャーの河田顕治氏が登壇。「Search Marketingの時代~検索はマーケティングをいかに変革したか~」と題し、検索連動型広告やSEOの今後の動向ついて語った。
河田氏は、行き過ぎたROI 志向に対する揺り戻しが起きているとして、直接のコンバージョンだけでなく、それ以前の情報収集への興味(AISASでいうところの「AI」部分)は何が喚起しているのか? も総合的に考慮していくことが今後重要になる、とした。
続いて行われた特別セッションでは、ジャーナリストである佐々木俊尚氏、株式会社ディー・エヌ・エー モバイルポータル部 部長 畑村匡章氏が、それぞれ講演。
佐々木氏は「ソーシャルが生み出すポスト・グーグル的世界」として、Web2.0の今日では巨大なデータベースからいかに必要な情報を的確にキャッチするかをめぐってアルゴリズムか、それともソーシャルネットワークかという対立が起こっているとし、その上で、セカンドライフバブル以降のメタバース(3D仮想空間)の可能性やTwitter、ウィキノミクスなどがキーになるのではないか、そして、SNSのインフラ化が起こっていくだろう、と述べた。
畑村氏は「600万人超のケータイSNS『モバゲータウン』の可能性」と題し、好調なモバゲータウンのビジネスモデルとともに、成功したコカコーラとのタイアップ広告の事例を解説。モバゲータウンはすでに会員600万人を超えており、これを活用したプロモーション展開として、アバターやゲームなどのコンテンツをフックに高い反応を得ると同時に、マスメディアやリアルと連携してより大きな効果を期待できる、とした。今後のモバゲータウンはポータル化を目指し、「モバゲー小説大賞」開催などを通じ、コンテンツ資産の商品化などの展開も行うとした。
午後のセッションでは、株式会社アイレップ SEM総合研究所所長 渡辺隆広氏が登場。「検索技術の進化とSEMの新潮流~CGM、ソーシャル検索、パーソナライズ検索などがもたらすもの」と題して検索エンジンとSEMの動向を紹介。
これからのSEMは、単純にキーワードのコンバージョンそのものだけでなく、それ以前までさかのぼって何がユーザーの“intent”の形成に貢献したのかまで考えて対策する必要があるとし、たとえば米国のオンライン航空チケット販売サイトの例として、コンバージョン直前ワードに集中してキーワード対策を 行った結果SEMの予算はそのままで売り上げは2倍になった、という例を紹介した。また、SMO(ソーシャルメディア最適化)が注目されるのはソーシャルメディアがユーザーのアテンションを集めやすいからだともした。
セッションによっては、立ち見も出るなど、会場はオンラインマーケティングへの知識欲が旺盛な熱心な参加者でにぎわっていた。
なお、イベントの詳細なレポートや資料のダウンロードについては、後日本サイトで順次公開していく予定。