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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

FEATURE

「紙→電子書籍化」ではなく「最初から電子書籍」の発想
「impress QuickBooks」の狙いとは

「ブログ以上、書籍未満」旬なネタをいち早くリリース

 編集部:文量や価格など、既存の出版とは発想を大きく変えねばなりませんね。他にも異なる点はありますか。

 河野:旬な内容を、タイミングよく提供できます。「ブログ以上、書籍未満」のような感覚でしょうか。企画にもよると思いますが、紙の書籍の場合、企画から最終的に書店さんに本が並ぶまで大体半年、長い場合は1年以上かかります。一方、電子書籍であれば、旬なネタをタイムリーに出版することが可能です。

 スピーディーに制作を進めるための体制も構築しております。例えば、弊社側で指定したタグのテンプレートをライターさんや編集者にお渡しして、電書化しやすい形で入稿にご協力をいただいております。入稿後2~3営業日で初校があがりますので、確認期間を含めて初校から店頭に並ぶまで2週間程度です。企画から含めると大体2か月程度で商品が店頭に並ぶイメージです。

impress QuickBooksの特徴

Quickに読める~スマートフォンなど電子端末に最適化~

  • 1タイトル20,000文字程度(紙の新書本の半分以)で気軽に読めるボリューム
  • 小さな画面の端末でも一目で内容が分かる「表紙」や「タイトル」
  • 1冊500円前後の購入しやすい価格設定
     

Quickに作る~知りたい情報をスピーディーに電子化~

  • ブログ以上、書籍未満の新しいコンテンツとして、旬な情報をリアルタイムに提供
  • これまで紙の書籍では出版が難しかった「尖った」企画も実現可能
  • QuickBooksに特化したテンプレートを使用しインプレスグループ内で制作から販売管理まで
  • 主要電子書籍のファイル形式に全て対応
     

Quickに売る~主要電子書店でいち早く販売~

  • 最短2日以内で販売開始(書店納品から販売まで)
  • Amazon Kindleストアをはじめ、主要電子書店(約20書店)での販売に対応
  • 各電子書店でのインプレスグループのノウハウを活かした独自プロモーション施策

 編集部:出版社の役割の1つとして書店への流通機能があると思います。デジタルファーストの場合は、個人でも出版が可能な状況となっていますが、その中で出版社はどのような役割を担うのでしょうか。

 北川:アメリカでは、出版の決定権が作家側に移行していますね。作家が、出したいものを、出したい形態で発表できる現実があり、セルフパブリシング経由でヒットするケースも増えています。これまで、出版の決定権は出版社側にあるのが普通でした。それには理由があったわけですが、デジタル環境の普及により、関係性の変化も生じています。私たちは従来の出版とセルフパブリッシングの中間が必要とされていると感じて、impress QuickBooksを始めました。

 河野:もちろん、出版社や編集者側にもメリットはあります。たとえば、紙のときはチャレンジしづらかった、エッジの立った企画も実現可能です。発刊後の反応を見て、続編を出したり止めたり、という判断も臨機応変に出来ます。

 また、作家さんが自ら電子用の書籍をつくり、価格設定を考えて売るのはとても難しいですから、ここは出版社の出番でしょう。弊社は外部ネットワークも含めてすべての機能を保有していますし、主要な電子書店約20書店での販売チャネルを持っています(2012年12月現在)。作家さんにとっても、メリットがあると思います。

 編集部:出版社も柔軟な姿勢が必要ですね。電子書籍では、どんなテーマの本が売れるのでしょう?

 河野:売れる・売れないはテーマによります。弊社はビジネス、IT、自己啓発、実用書などに絞って企画を出しています。またタイムリーなテーマを、ユーザーの熱が冷めないうちに世に出すことが重要です。

 北川:発刊数にはこだわっています。年間1,000タイトルを目標にしており、月80冊くらいはイメージできています。キーファクターは制作体制です。

 毎月数十冊単位で出版し続けるため、私たちはプロデュースに注力し編集・校閲などの制作機能は内部にありません。ネットワーク型編集システムといいますか、編集プロダクションやフリーランスの方など外部の方と協力しつつ、スピーディーに刊行できる体制を築いております。

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課題は、発刊したことを知らせるためのマーケティング

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この記事の著者

齋藤 麻紀子(サイトウ マキコ)

フリーランスライター・エディター

74年生まれ、福岡県出身、早稲田大学第二文学部演劇専修卒業。 コンサルティング会社にて企業再建に従事したのち、独立。ビジネス誌や週刊誌等を通じて、新たなビジネストレンドや働き方を発信すると同時に、企業の情報発信支援等も行う。震災後は東北で起こるイノベーションにも注目、取...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/04/04 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17413

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