ターゲティング革命
ユーザーの興味を惹かない広告は表示されない。この事実の前に、広告主や広告代理店は、より精度の高いターゲティングを考えなければいけなくなりました。
検索エンジンで検索されているキーワードは多岐に渡ることから、リスティング広告では大量のキーワードが利用されています。広告主によっては、一度に1,000万個以上のキーワードに入札し、網を張っているところもあります。
どのような人がどのような理由で検索していて、どのような情報ニーズがあるのか。それに対して、どのような情報を広告として表示してあげれば、ユーザーの興味を惹くことができ、入札競争を競合他社よりも優位に戦えるのか。一つひとつのキーワードは、日々、トライアル・アンド・エラー(試行錯誤)を積み重ねていくことになります。

視点を変えると、キーワード単位でのターゲティングという課題に真剣に取り組むほど、その見返りが広告主に与えられる仕組みともいえます。リスティング広告は検索キーワードターゲティング広告と言い換えてもいいと思います。まさに、リスティング広告の登場はターゲティング革命となったのです。
前回、1990年代前半に登場した「統合マーケティングコミュニケーション」について紹介しました。リスティング広告の登場は、局所的ではありますが、日々の業務レベルで「マーケティングをマネージメント」するという行為が定着してくる契機を広告業界に与えたのです。
このリスティング広告の登場と、それに伴うオペレーションレベルで「マーケティングをマネージメント」する習慣が、徐々にインターネット広告業界にアトリビューションの必要性を生み出していくことになります。次回以降はその流れを説明していきます。