Keynote:How marketer connects TV to social media, web and mobile
キーノートは、Hill HollidayというエージェンシーのMike Proulxが登壇。どのようにテレビとソーシャルメディアをつなげるのかが議論されました。米国ではテレビとソーシャルメディアの結びつきが比較的強く、テレビを見ていると、TwitterのハッシュタグやFacebook、Pinterestのロゴを良く見かけます。
統計データをいくつか挙げると、
- 視聴者がテレビを見ることによって、モバイル・タブレット検索が20%加速している。
- 米国では、テレビを視聴している40%が同時にモバイルやタブレットを利用している
- テレビから検索への誘導が高いのは、テレビ番組(具体的な内容)を見ている時ではなく、テレビコマーシャルを見ているときである。
要するに、今までの考え方ではネットの利用が増えることによって、テレビの視聴時間が減ってしまうと考えられていましたが、これからは、「テレビを見るか、ネットをするか」という考え方ではなく、「テレビを見ながらネットをする」という流れが米国では特に加速しているようです。
そんななか、米国で話題を呼んでいるのが「Defiance」というドラマです。

同時期にオンラインゲームも発売される予定で、ゲームとドラマが相互作用することによってドラマの筋書きやゲームのストーリーに影響を与えるようです。まさに、テレビとインターネットを融合させた取り組みの1つといえるでしょう。
SEO in the Boardroom: Tangible Search Metric
Seth Besmertnik、Chuck Priceという2人のSEOプロフェッショナルが登壇。米国のSEO業界について議論が交わされました。企業のSEO対策間違いのあるあるとして、「ウェブサイトを作った後になってSEOサービス会社に依頼する」というのが出ました。会場でどっと笑いが起こったので、耳が痛い人が多かったのでしょう。頭ではわかっていても実行に移せないというのは、アメリカ企業でも同じようですね。

パンダ/ペンギンアップデート、pogostickingなどをうけて、SEOは小手先のテクニックではなく、ユーザーにとって役立つコンテンツ作りが重要だとされています。単にSEOに有効だから、そのコンテンツが必要かどうかを考えるのではなく、マーケティング的にそのコンテンツが必要か(そもそもその記事の内容が第三者にとって重要であるかどうか)を定義して、それに対してキーワードを含ませるなど、かなり高いテクニックが求められるようになっています。にもかかわらず、ウェブサイトを作った後にSEOを考えるというのは、順番が間違っていますよね。
本セミナーのポイントをまとめると、以下のとおりです。
- サイトが完成してからSEO対策を考えることは根本的に間違っている
- SEOに必要な良質なコンテンツ構築は、SEO技術者の仕事ではなく、むしろ企業のマーケティングやPR部門が行うべき仕事である
- 米国ではGoogleのパンダ、ペンギンアップデートの後、SEOの需要が増えている。その人材に求められているものは、HTMLやリンクの知識を越えたコンテンツの企画能力である。
ちなみにこのSESイベントですが、拙著『海外SEO SEM』に$100ドルの割引クーポンが入っているので、是非ご活用ください(おそらく、イベントがある限り使えます)。