アナリティクスを始めよう
最近アナリティクスに関する記事が多くなってきました。しかし、華々しい成功が多く語られている割には苦労談が少ないと感じます。成功事例を語るのは良いのですが、それに至る過程も同時に語らないと単なる自慢話で地に足がつかない議論になってしまいます。
この連載では、今回の「『アナリティクス』とは何か」に続き、次回からは 「アナリティクス実践の成功に至る10ステップ」に話を進めて行きたいと思います。アナリティクスが成功に至る過程に焦点を絞り、それを10のステップに分けて議論します。
成長過程には「始める」「プロになる」「チャンピオンになる」の3段階がありますが、当連載では特に初期の「始める」段階で大切になる4ステップに重きを置いて議論をします。初期段階は陥りがちなワナがいっぱいです。しかしそのワナの回避方法を徹底的に理解することは、アナリティクスを成功させる基本的なプリンシプルを理解することでもあります。それ以降の6ステップはそのプリンシプルの応用・発展形に過ぎません。
質問「アナリティクスに統計学のスキルは必要ですか?」
最後によく皆様から受ける質問に私なりのお答えをして第一回目の締めとしたいと思います。
アナリティクスを始める際に統計学のスキルは必要でしょうか?というご質問をよく頂きます。もちろん統計学をマスターされた方がプロジェクトのメンバーにいれば心強いですが、統計学の知識がなくても取り組みを始めることは可能です。実際、私達の顧客企業の中には、外部のコンサルタントやITツールなどをうまく活用しながら、あっという間に活用を進められているお客様もたくさんいらっしゃいます。その方たちに共通しているのは、「キャンペーンの反応を上げるためにお客様をもっと理解したい」「収益の高いお客様をきちんと把握して対応したい」という明確な目的をお持ちになって分析を始めていらっしゃる姿勢です。いずれの方法を取るにせよ、「始める」段階で十分にスキルを獲得して「プロになる」発展段階に備えて頂きたいと思います。スキルに関しては連載の後半で再度触れます。
世の中、身近なところでたくさんムダが発見できますね。自宅のポストがダイレクトメールでパンパンになりませんか? ネットをサーフィンしていると興味ない広告ばかり出ませんか? 念のためと発注した文房具が会社の総務でホコリをかぶっていませんか? これらのムダはアナリティクスが解決できます。またハンバーガーの例のように「機会損失≒成長の妨げ」を取り除くと言った成長戦略に通じることも可能です。
世の中に非効率がある限り、アナリティクスで改善できるチャンスはあるのです。ぜひアナリティクスであなたの会社を、あなた自身を、社会をよりハッピーにしていきましょう。