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モーリ・タローの投げっぱなしソーシャル

Facebookの新しさって結局伝わってないのかな、リアルライフと情報公開の中間状態について

情報の公開における中間状態

 これは普通の生活でも同じで、誰と誰が付き合ってるっことはなになにつながりのどこどこ界隈の人たちはたいてい知ってるけど、××方面には絶対ナイショにしてて……みたいな情報の公開範囲について中間状態を常に持っている。

 Facebookが、というより2010年代のSNS、ソーシャルメディアと言われるものが実現しようとしているのは、こういう情報の公開における中間状態を、どうやってソーシャルグラフ上で自然な形で実現していくか、ということなのだろう。そして、Facebookの設定項目があまり理解を得られないということは、その実装方法と、私たちの理解には、大きな齟齬があるのだろう。ではそこにある乖離はなんのか?

ソーシャルメディアが向かう先

 ソーシャルメディアと呼ばれるものが、これまでのWebと大きく異なるのは、それがリアルライフを扱っているということである。これまで実生活はリアルであり、ネットはバーチャルであり仮想でありペルソナであり匿名であると考えられてきた。

 しかし、ソーシャルメディアは、人間の実生活の活動をリアルタイムでサポートするためのサービスであり、そもそも仮想でもペルソナでも匿名でもありえないものなのだ。ならば必然として、実生活で体験するような、情報の公開と非公開の中間状態がサポートされなければならない。

 しかし、Facebookのそれは、多機能でありながら、残念ながら多くの支持を得られているとは残念ながら言えない状況にある。ならば、どういう形でサポートされるのが、自然で、なおかつ安全で、また安心もできるのか。

 とくに「安全」は設定項目を確認すれば自明だけど、多くのほかの場合と同じように「安心」はマインドの問題なので、実際に安全かどうかとは関係なく、まったくプライバシー設定できないのに安心して使われてる、みたいなことだって起きうる。

 そういったソーシャルメディアの「安全」と「安心」の齟齬を埋める手立ては果たしてあるのだろうか? ということを3年くらい考えていてまだよくわからないというのが今の状況なので、きっとこれからも同じように考えていくのだろう。何かこの面で革新的なサービスが現れでもしない限りは。

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モーリ・タロー(モーリ タロー)

フリーダムなIT系編集者・ライター
90年代半ばからIT系書籍編集者として『FreeBSD徹底入門』『ウェブログ入門』『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』などを手がける。
2008年に独立し、ソーシャルメディア、オープンソース関連を中心に執筆活動を行う。
2012年4月から、株式会社はてな シニア・エディター。

●hatena: http://www.hatena.ne.jp/mohri
●twitter: http://twitter.com/mohri
●Facebook: http://www.facebook.com/imkt5l

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2013/05/31 18:30 https://markezine.jp/article/detail/17811

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