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マーケティングの未来を探求!MZ Day 2007レポート

【MZDayレポート】「ハンゲーム」のクロスメディアキャンペーンに見る、次世代広告コミュニケーションとそのクリエイティブ


成功のカギとなる「広く&深いコミュニケーションのための」シナリオとコンテンツ

 こうしたクロスメディアコミュニケーションにおいて、川越氏が最も意識したのは、コンテンツはもちろんのこと、それらを組み上げるシナリオだった。

 まず、一つの方向としては「広く」という考え方がある。つまり「ハンゲー部」にいかにあらゆるメディアで出会わせるか、という接点のバリエーションと機会である。そしてもう一つは、小さな接点からコミュニケーションをいかに「深化」させるかという観点である。

 まず前者については、「リアル」の活用が大きなキーワードとなった。その意図について、川越氏は次のように当時を振り返る。「ネット内で『ハンゲーム』について語られることはあっても、リアルな世界ではそのような場面をなかなか見ることがありませんでした。『ハンゲーム』がさらなる飛躍をするためには、閉じられたネットの世界だけでなく、リアルの世界を取り込むことが必要だと感じたわけです」

 そこで、大学生の目線でライフサイクルを鑑みながら、ハンゲームを話題にするシーンを想像していった。その結果、「通学途中で駅張りポスターを見ながら」「学食のトレーのチラシを見ながら」という絵が浮かんできたというわけだ。こうしたリアルな場面によるコミュニケーションを行った結果、Webサイトへの動員が増え、特にネットゲームに関心が薄いといわれる女性ユーザーの登録が大幅に増えたという。

「自分化」を意識したポスターやチラシで、リアルな場面での親和性が向上。
ネットに詳しくないユーザーを取り込むことに成功した。下記は駅張りポスターの例。

 そしてもう一つのカギである「深化」については、Webサイトに来訪したターゲットに対して、ネット上でいかに親和性を高めるかということに課題を設定したという。ハンゲームには実に多数のコンテンツが用意されており、それが世界最大級のゲームポータルたる魅力にはなっているが、その膨大さに初心者は戸惑う傾向にある。そこでプロモーションの中で、初心者向けに理解しやすく使いやすい導線を設置する必要があると考えたわけである。

 こうした「活用するための導線」や「伝えるべき楽しさ」は、実は立花氏、川越氏の両氏が実際にサービスを利用する中で、ユーザーとして感じたことが起点になっているという。川越氏は「実際にサイトに入ってみると、2100万IDというユーザーが生き生きと活動している。その躍動感をターゲットに伝えたかった」と述べ、立花氏も「入社して、まずサービスの利用法や楽しさを教えてくれたのは、既存ユーザーだった。そのコミュニケーションの豊かさを感じてほしいと思った」と語る。

 結果としてサイトに来訪した120万人のほとんどがキャラクターブログを読み、オンラインのチャットベントに参加する等、より深いコミュニケーション活動が行われたという。もちろんそれによる親和性の向上が、さらなる会員獲得につながったことは間違いないだろう。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウマミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/09/26 20:12 https://markezine.jp/article/detail/1784

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