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統括編集長インタビュー

「パズドラの魔法石ではなくカワイイ服を買ってほしい」
コーディネートサイト「iQON」が目指す世界観


 SNSの進化に伴って増えているファッション系SNSサイト。なかでもユーザー数を伸ばしているのが、ファッションコーディネートサイト「iQON(アイコン)」だ。2月にリリースしたアプリは、月間訪問者数が200万人を突破。ユニクロの約2倍となる2,000件のレビューを得るなど、「熱の高い」ユーザーに支えられているという。その秘訣を、運営会社「VASILY」のCEO金山裕樹さんに伺った。

ファッション雑誌はたくさんあるが、なぜかネットはファッションECだけ

株式会社VASILY 代表取締役CEO 金山裕樹さん
株式会社VASILY 代表取締役CEO 金山裕樹さん

 ―― サイト上で販売する商品を、ユーザー自身のセンスでコーディネートするサイト「iQON」が人気です。素人の方にも関わらず、サイトにはハイセンスなコーディネートが並んでいてビックリです。

 ありがとうございます。基本的にユーザーは素人の方ばかりです。日本人のファッションセンスってすごいでしょう?!

 ―― はい、そう思いました。

 日本人って、グッチのワンピースにアディダスのスニーカーを合わせるなど、独特なコーディネートをするんです。グッチは階級の象徴。スニーカーと合わせるなんてヨーロッパでは言語道断ですが、日本人はそれをサラリとやってのけます。

 ―― そのセンスを活かしたのが「iQON」ですね。

 現在iQONではアパレルを中心に100万点以上の商品を販売、商品画像を使ったコーディネートを披露するユーザーは毎月一万人弱にものぼります。「妊娠中の自己表現の場」としてiQONを利用し、そのセンスの高さに多くのファンがついたユーザーもいます。

PCサイト
PCサイト
アプリ画面
アプリ画面

 ―― 「オンラインショップ」より「ユーザーの自己表出の場」に近いですが、なぜこのようなサイトを作ろうと思いましたか。

 インターネット上にファッションコンテンツがなかったからです。ファッション雑誌はたくさんあるのに、インターネット上にあるのはオンラインショップだけ。

 ―― なぜ、なかったのでしょう?

 その理由が分かったのは、前職のヤフーでファッションサイト「X Brand」を立ち上げたとき。今年の流行だとか着こなし術だとか、いわゆる「ファッション雑誌のコンテンツ」をネットで提供しようと思ったのですが、とにかくお金がかかるんですよ。

 ―― 問題はお金ですか。

 そうです。例えば、あるワンピースの着こなし例を紹介しようとすると、モデル、スタイリスト、フォトグラファー、ライター、エディターなど、何人もの人が関わります。サイトを管理するプログラマーやプロジェクトメンバーも加えると、とにかくコストがかかるんです。

 ―― 今回のMarkeZineの記事は、エディター、ライター、フォトグラファーの3人ですね。

 でしょ? だからファッションサイトを運営するには、コストを極限まで下げなきゃいけない、と。当時「Web2.0」なんて言われていて、ネット上のイニシアティブがユーザーに渡りつつあった時期だったので「服のコーディネートをユーザーに託してはどうか」と思うに至りました。ヤフーから独立後に立ち上げた「iQON」がそれです。

 ―― iQONでは商品販売をしているものの、サイトはコーディネート中心なので、「オンラインショップ」と呼ぶには抵抗がありました。

 お陰さまでご支持頂いているのは、これまで表出化されなかった一般人のセンスが、コーディネートとして発信できるようにしたからだと思います。

 ―― 日本人のセンスは、表出化されていなかったのですか。

 そのシーンが少ないと思います。どんなにセンスがあっても、お金がないと服は買えませんし、制服のある職場なら好きな服を着ることができない。さらに身長が低いと丈の長いワンピースは着こなせない、とか。

 ―― センスがあっても、表現するためには制限が多いのですね。

 そうです。でもネット上では、身長が低くても、お金がなくても、制服があっても自己表現ができます。例え20万円のワンピースでも、iQONでコーディネートするだけなら無料ですから。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

齋藤 麻紀子(サイトウ マキコ)

フリーランスライター・エディター74年生まれ、福岡県出身、早稲田大学第二文学部演劇専修卒業。 コンサルティング会社にて企業再建に従事したのち、独立。ビジネス誌や週刊誌等を通じて、新たなビジネストレンドや働き方を発信すると同時に、企業の情報発信支援等も行う。震災後は東北で起こるイノベーションにも注目、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/06/19 10:32 https://markezine.jp/article/detail/17863

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