楽しませることで広告効果を上げた「コカ・コーラ」とのタイアップ広告
このようなユーザーを楽しませながら、広告効果を上げていく手法については、モバゲータウンならではの広告出稿における付加価値を高めるための戦法の一つとして認識しているという。その具体的な例として、「日本コカ・コーラ」によるタイアップ広告事例が紹介された。

コカ・コーラとモバゲーとの共同キャンペーンサイトを作成し、各社の会員への直接的な告知に加え、テレビや雑誌、ラジオ広告、自販機のQRなど、多彩なメディアを通じて大規模に誘致を行った。結果、共同キャンペーンサイトには多数の来訪者があり、さらに目標であったコカ・コーラとモバゲーの各サイトの会員獲得においては大きな効果が得られたという。キャンペーンは、「コカ・コーラ」のブランドイメージの訴求に加え、新製品「コカ・コーラZero」の告知の2つを目的として行われた。
まず「コカ・コーラ」全般のブランドイメージを訴求するキャンペーンサイトは、ブランドカラーの赤と白を基調とし、ゲームやスロット、デコメなどのコンテンツが用意されている。いずれもここでしか楽しめず、楽しむことでモバゴールドやアイテムやアバターが獲得できる。特に1日1回だけ回せるスロットは、滅多に当たらない「超レアアバター」が獲得できるとあって、ユーザーは頻繁にサイトを訪れるという、遊び心を刺激しつつも広告効果を高める仕掛けが施されている。
ゲームに関しても、スコア上位者には限定アバターがプレゼントされることもあり、毎日10万人以上の会員が、「コカ・コーラ」のロゴが入ったゲームを利用するほどの盛況ぶりとなったという。18日間という短期間で、50万人ものユニークユーザーが何度もゲームを楽しみ、「コカ・コーラ」というイメージに触れたことになる。
そして、コンテンツの充実ぶりに加え、モバゲータウンの魅力の一つである「アバター」を利用したユニークな仕掛けも特筆すべきことだろう。「コークスキー」というアバターをつくり、通常のアバターと同じようにSNS内で日記を書く。友人には30万人以上が登録し、日記へのコメント数も19万を超えた。
同様に「コカ・コーラZero」のキャンペーンにおいても、カラーリングを製品カラーの黒に変え、ゲームやアバター、デコメ等のコンテンツを配置し、同様に高い反応を得たという。
こうしたタイアップキャンペーンの成功を通じて、畑村氏はモバゲータウンのプロモーションツールとしての価値を強く認識するに至ったという。そして、「600万人を超えるユーザー、特に10代後半への絶大なリーチ力があること」「アバターやゲームなどを通じて高い反応を得られること」「携帯電話の特性を活かし、他メディアやリアルと連携させることでクロスメディア的な効果が期待できること」などをそのポイントとして語った。