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マーケティングの未来を探求!MZ Day 2007レポート

【MZDayレポート】DeNA「モバゲータウン」セカンドステージへ「複合的なエンターテインメントサービスを目指す」


2006年2月のサービス開始後、現在の会員数は650万人を数え、7月の月間PVは120億超を記した、「モバゲー」。まさに破竹の勢いだ。本セッションでは、その仕掛人である株式会社ディー・エヌ・エー モバイルポータル部部長のDeNA畑村匡章氏がこれまでを振り返り、成功までの軌跡とこれからの展望について語った(MarkeZineの主催で9月7日に行われたイベント「MZ Day2007」のレポートです)。

ゲームを中心に、アバターによるコミュニティ創出でブレイクしたモバゲータウン

 サービス開始より1年半経過した「モバゲータウン」の現状を、畑村匡章氏は「人気が出ることは想定していたが、反応は想定以上」と評価する。2年前の2005年8月に「ゲームというドメインで何かできないか」という思いつきからスタートし、さらに「おもしろそうだ」という思いつきを地道に形にしてきた結果だという。

 まず、モバゲータウンの主力エンジンであり、今もメインコンテンツの一つであるのが、ワードゲームやパズルなどカジュアルゲームである。携帯電話は、ブロードバンドに常時接続しているPCとは異なり、デバイスとしての制限がある。また、携帯電話のキャリアごとに仕様が異なる。そうした制限を乗り越えて、共通化して楽しむことができるゲームを集めたいという発想から、FLASHを用いることを思いついたという。またFLASHは起動が早いという利点もあり、モバイルからWebゲームにシームレスに移行できるという点で待ち時間が障壁とならないため、すきま時間利用というモバゲータウンのゲームが使われるシーンを想定しても好都合だった。

モバゲータウンのしくみ(セッション資料を元に編集部が作成)

 また、当初のラインナップも麻雀やオセロといった「誰もが遊んだことのある」親和性の高いゲームをそろえたことも、いわゆるゲームオタク以外の一般ユーザーを取り込む上で戦略的だったといえるだろう。魅力的なゲームを無料で提供し、そこに人が集まる。そのランキングを知らせることで、ゲーマー同士のコミュニケーションが生まれる。

 モバゲータウンの大きな特徴のひとつとして、こうしたユーザー同士のメッセージのやりとりや、コミュニティ機能といったSNSによるコミュニケーションの場が提供されていることがある。それが活性化すればするほど、口コミによる勧誘も増え、会員数が増大した。そうなれば、広告主にとって魅力的な告知の場として価値が向上し、バナー広告などの純広告の出稿が増加する。

 しかし、モバゲータウンの強みは、「ユーザーが楽しむ」仕組みを、広告主にとっても魅力的なものに創り上げているところだという。サイト内のコミュニケーションは、ゲームを含め自分の分身である「アバター」を使って楽しめる工夫がなされている。

 アバターは着替えたり、仮想の地域に部屋を持つことができ、洋服やアイテムを購入するためには「モバゴールド」が必要となる。モバゴールドの代わりに現金でアバターのアイテムを購入することも可能だが、モバゴールドに比べると利用者は少ない。今後利用者が増えるにつれ重要な収入源の一つになることは間違いないが、ユーザーの多くは、広告主のサイトで会員になったり、ゲームに参加したりすることで、モバゴールドを獲得したり、レアなアイテムを手にいれたりする。つまり、ユーザーが楽しみながら活動しているうちに、自然に広告主の提供する情報に接しているというわけだ。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウマミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/09/28 12:40 https://markezine.jp/article/detail/1786

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