1. まず大雑把に把握すること
サイトの数値を見るときに、「有効なものを探そう」とか、「どのボタンが一番押されているか」とか、「ユーザーの属性ごとに分析しよう」など、いきなり細かいものを見ようとすると失敗します。そのようなやり方だと、結局「どこから見て行けばいいのかわからない」という結果になり、行動が鈍ってしまいます。
また、仮にサイトのユーザー属性別に見て何らかの結果が出たとしても、それが平均からどれぐらい離れていて、どの属性が平均以上で他と異なる優位性があるのか、ということが見えなくなってしまいます。
ですから、まずは大雑把に把握して、その後で詳細に掘り下げていくことが大切なのです。最初はPVだったり、売上、資料請求数など、サイトが達成すべき目標をベースに大雑把に把握してみると良いでしょう。

2. グラフ化すること
数値を出してみても、どこが上がっているか下がっているのか、どのような特性があるのかは、数字の羅列を見てもなかなか読み取りにくく、グラフにしてみないと気付けないことが多々あります。
下記の図を見てみましょう。一見、まったく異なるグラフに見えますね。でも、これはすべて平均が同じグラフなのです。

また、SQLやエクセルのAVERAGE関数で平均を出しても、グラフにするとずいぶん違うものです。よって、数値を出したら必ずグラフ化することをお勧めします。
3. 複数の数値で比較すること
たとえば売上推移のグラフを見て、売上が下降気味だった場合、「なぜ下がったのか」という質問に関しては、売上推移のグラフだけ見ても答えは出ません。複数の数値で比較してはじめてその原因がわかるのです。私が比較する際は下記の4つを利用して、比較しています。
方法1 関連する複数の指標を並べて比較する
売上が下がったら、その時点でのPVは上がっているのか、下がっているのかを見てみます。下がっているなら、「PVが下がったから売上が下がった」と考えることができます。その次に、PVが下がった原因は何かを調べ、たとえば検索エンジンからの流入が激減していたとするなら、SEOに注力すれば、元の売上になるのでは?と言う結論が見いだせます。
方法2 関連する指標で割って比較する
売上を訪問者で割ってみて、売上単価を確認します。それが変化していなければ原因は他のところにあることがわかります。下がっているならば、方法1で紹介した複数の指標を並べたり、PV÷来訪者で一人当たりが見るページ数を確認したり、購入フローの最初のページの訪問者÷購入完了者数で、CVRを見たり、どこに欠陥があるか探します。
方法3 データを細分化してみて見る
ざっくり把握して、グラフ化したものの、構成要素に落とし込み、どこが上がっていて、どこが下がっているのかを確認します。

売上を商品のカテゴリ別で積み上げグラフにしたときに、特定カテゴリの売上が下がっていた場合、問題箇所の特定ができます。他は横ばいなのに、そのカテゴリのみ下がっているのであれば、全体的な流入数の現象を疑うよりも、在庫切れの期間が長かった、その商品に魅力がなくなった、別の新製品がライバル会社から出されたなど、理由を絞っていくことができます。
方法4 先月、前年のデータと比較する
長く運用しているサイトであれば、先月、前年のデータと比較してみます。不動産サイトなら2月3月はおそらく入学・就職などで、需要は上がるけれど、5月になるとピークが過ぎ、下落する傾向があるかもしれません。よって「この時期は前年も下がっている」と言う結論が見いだせます。
ただ、このときに重要なのは「前年も下がっている」という単純な結論ではありません。下げ幅が前年より大きいならば、市場シェアが奪われている、サイトに欠陥が生じているなど、新たな課題が浮き彫りになります。
