4. 仮説を立てて検証すること
ここが一番難しいポイントです。今までの手順を実践するだけで、課題がかなり浮き彫りになるかもしれませんが、それだけではただの「評論家」になってしまいます。数値を見て、施策を提案し、サイトを改善しなければ、数値を見ていく意味がありません。
大雑把に把握し、グラフ化し、複数のソースを見る手順の中で、きっと何らかの興味や気になることが出てきます。仮にECサイトの購入単価を調べた結果、グラフをじっと見ているときに、
「もしかしたら男性と女性とで異なるかもしれない」
「もしかしたら、年齢によって異なるかもしれない」
「地方都市と都心部では違うのかもしれない」
など、疑問が湧いてきたらゴールはすぐそこです。数値を出して、その仮説が正しいかどうか、他のデータを抽出して検証します。検証した結果、仮説が合っていた場合、それを解決するための施策に落とし込みます。
こんな施策が考えられる
たとえば、男女で購入単価が違う場合、「男女で求めている商品が異なることになるので、サイトでの表示順を男性と女性で入れ替えてみてはどうか」と提案ができます。「地方都市と都心部で購入単価が違うかもしれない」と思って調べていたけれど、「地方都市の方が人口の割に購入者が多かった」という別の切り口のデータが出てきたら、「検索エンジンでの広告配信を都心部の予算を削って地方に投下しよう」という施策が生まれるわけです。
仮説の検証
そして、実際に施策がサイトに反映されたら、反映された箇所の効果を必ず把握して、再度、仮説の検証をしてください。データ上は正しいように思えた事案も、実際とズレている場合もあります。データを見て仮説を検証し、こうしたら上がるのでは?という仮説を見いだして実施したら、その仮説が本当に効果があったか検証して、次のアクションを決めます。
効果が出なかった
・違う施策を検討する
・いったん元に戻す
効果が出た
・より効果を出すための施策を考える
・違う箇所の施策を検討する
効果の出なかった施策に関しては、遠慮なく戻すことも大切です。あくまでその仮説は適切ではなかった、と言う検証が取れた証拠なので一歩前進です。

まとめ
今回紹介した4つの手順を使えば、高度な統計学の知識がなくてもサイトの問題点を洗い出すことができます。今回は概要編なので、次回は具体的な数値を出しながら、もう少し掘り下げていきたいと思います。
似顔絵イラスト:napocon