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次世代広告コミュニケーションの秘訣

目ざわりな広告を、有益なコンテンツへ。その期待が寄せられる「ネイティブ広告」とは何か?


メディア・広告主・消費者の3者にメリットのある広告モデル

 ネイティブ広告を理解するために、具体例を見ていこう。以下のスナップショットは、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)サイトの記事である。あるニュース記事の先頭部と後頭部を掲載している。この記事の左側がWSJの編集コンテンツ枠で、右側が広告やお知らせのための枠となっている。

 ニュース記事の後頭部には、このニュース記事の閲読者が関心を持ちそうな他の記事や、そのニュース記事と関連のありそうな他の記事をレコメンドしている。 左側の「You Might Like」ではWSJの他記事(見出しとリンク)を載せ、右側の「Content from our Sponsors」ではWSJ以外の外部記事を紹介している。

 右側の赤枠で囲んだ部分が、ネイティブ広告枠となっているのだ。この枠のコンテンツにはWSJ編集は関与しない。第3者のOutbrain社がエージェント的な役割を担い、広告主となる多くの外部ニュースサイトのニュース記事からWSJ閲読者にレコメンドすべき記事を、独自にキューレートし、広告コンテンツとして提供している。

 このモデルでは、WSJ編集枠内に広告枠が組み込まれているが、消費者としては抵抗感は小さいのではなかろうか。Outbrain社のニュース・アグリゲーションは実績もあり評価も悪くない。WSJが関与しないため、WSJの競合ニュースサイトの記事も紹介されることもある。消費者としては歓迎すべき情報と言える。

 メディア(パブリッシャー)のWSJとしても、ネイティブ広告売上が得られることに加えて、広告コンテンツが有益な存在となっている。WSJのニュース記事を補完する役割を果たしてくれていて、メディアの価値を高めてくれているとも言えるからだ。広告主となるニュースサイトも、自社サイトのニュース記事見出しがWSJに掲載されると、WSJの質の高いユーザーを誘導してもらえる。

 広告売上規模が小さい事例だが、メディアも広告主も消費者も、皆が納得できる広告モデルである。でもネイティブ広告はまだまだ試行錯誤の段階で、多くの課題を抱えているのが現状だ。次回からは、その課題と対策を解説していく。

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この記事の著者

田中 善一郎(タナカ ゼンイチロウ)

ITメーカーで情報通信システムの開発に従事。その後、新聞社系雑誌社に転職。電子、通信、コンピュータ分野の記者として、LSI設計、ネットワークなどの最先端技術をカバー。90年代当初からインターネットメディアに傾斜し、ニュースメディアサイトの立ち上げに従事。雑誌社退職に合せてブログ「メディア・パブ」を2004年に立ち上げる。また監査役として、急成長するSNSベンチャーに6年間身を置く。2012年10月からフリーに。

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2013/07/02 11:42 https://markezine.jp/article/detail/18028

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