LINE@アカウントと公式アカウントを併用した立体的な施策の全容
同社はLINE公式アカウントとスタンプ、全国19店舗のLINE@アカウントを併用した、立体的なLINEマーケティングを行っている。
6月上旬に、パルコは公式アカウントでスタンプの配布を行ったことで、友だち数が約420万人にまで急増した。そして多くの人にリーチできるメディアとなった公式アカウントから、「LINE@からクーポンを配信するので、近くのパルコとLINE@で友だちになってください」というメッセージを配信し、各店舗のLINE@アカウントへ誘導を行った。
2012年12月 パルコアラのLINE@アカウント開設
2013年5月14日 LINE公式アカウントオープン
2013年5月下旬 各19店舗それぞれのLINE@アカウント開設
2013年6月上旬 公式アカウントからパルコアラのスタンプ配布、友だち数が420万人へ急増
2013年6月~ 公式アカウントから各店舗へのLINE@アカウントへ誘導
「昨年末にパルコアラのLINE@アカウントを開設したことで、クーポンを店頭で処理する簡易さ、手元でクーポンがつくれる利便性といった使い勝手がわかり、公式アカウントの導入に踏み切る一助となりました。
またLINE@から、良品計画の協力のもと、パルコの中に入っている無印良品で、全商品10%オフになるクーポンの配信を12店舗で実施しました。すると、メルマガやFacebookクーポンよりも、LINE@のほうが利用者数が多かったという店舗が何店舗かありました。そしてそれらは、都内の店舗ではなく、地方のお店でした。その時にLINE@が持つ“人を動かす力”を実感でき、かつデータとして得られたことも大きかったです」(會田さん)
公式アカウントよりも、実際に人が動いた数はLINE@のほうが多い
LINEマーケティングへ広告予算を大きくシフトさせたグランバザール。では、同社はグランバザールを成功させるために、具体的にはどのような施策を行ったのだろうか。
公式アカウントと異なり、友だち数を増やすことが難しいと言われるLINE@だが、先に述べたように、同社は公式アカウントを大きな軸として、各店舗のLINE@アカウントの友だち数を増やしていった。このようにしてLINE@でリーチできる顧客を確保した上で、グランバザール中に下記の3つの企画を実施した。

(1)LINE@からのクーポン配信
グランバザール初日の7月4~12日、LINE@から「500円分のお買いもの券プレゼント」クーポンを配信。配信数16万4,000件に対して開封率が36.5%(6万件)、利用率は10%に。一部店舗では開店前に行列ができ、初日に配布終了するお店も続出。およそ3日間で全国で用意した6,000枚が引き換えられた。
(2)LINE公式アカウント「LINE マストゴースタンプ」
セール最初の週末に「LINE マストゴースタンプ」企画を実施。「LINE マストゴースタンプ」とは、商品を買わなくても、来店した人がLINEのスタンプをもらえるもの。23,000枚配布された。
(3)LINE公式アカウントからプレゼントクーポン配信
パルコアラとLINEキャラクターのコラボレーショングッズのプレゼントクーポンを配信。買い物をしなくてももらえるステッカーが5,000枚、買い物した際にもらえるオリジナルのショップ袋2,500枚が配布された。
上記の3つの企画は、他の企画と比べても、かなりの数字だという。「19店舗で、しかも引き換え期間が3日という短期間出した数値としては、かなりの最大風速をつくることができました。特に500円の優待券は、3,000円以上の買い物で500円値引きするというもので、売上に対する貢献度もかなり大きかったですね。
また、LINE@で配ったお買い物券が6,000枚、公式から配ったステッカーは5,000枚、この数値を比べるとLINE@の方が多いですよね。伝達数はLINE公式アカウントが420万人、一方でLINE@だと19店舗全部を集めても18万人程度です。情報を伝達できている人数は公式アカウントの方が圧倒的に多いが、実際に人が動いた数はLINE@のほうが多かったということがここから分かります」(會田さん)