伊藤雅之氏
ビックカメラの眼鏡・コンタクト事業部の責任者。現部署には8年半ほど在籍。バイイングにマーケティング、そして人事も含めてほぼ全てを統括している。
松井篤志氏
ビックカメラのスポーツ事業部に所属。現部署には1年弱ほど在籍。以前は池袋アウトレット店の店長を務め、現場でのソーシャルメディア活用の経験を持つ。
清水翔太氏
チラシやDM、CMの制作といった施策を担っている広告課に所属。店舗で4年ほど経験を積み、1年半ほど前に現部署へ。主にソーシャルメディアやO2O関連の施策を担当している。
転換期を迎えたビックカメラのマーケティング戦略
代表的な家電量販店の一つとして挙げられる「ビックカメラ」。印象的なテレビCMの音楽が思い浮かんだり、先日オープンした赤坂見附駅店や、ユニクロとコラボレートした新宿東口のビックロなどに、実際に訪れたことのある方も多いだろう。
マス広告、DM、そしてチラシなどの施策を行っている印象が強い同社だが、「今後は本腰を入れてWEBやO2O関連の施策に力を入れていきます」と株式会社ビックカメラ 営業本部 広告課 主任の清水翔太氏は語る。
「これまでは各店舗が独自にFacebookやTwitterのアカウントを開設し、独自に運用してきました。正直なところ、運用プロセスなど明確とは言えない状態でした。そんな状態から、もう一度しっかり取り組んでいこうという方針が決まり、転換期を迎えました。そして今年の1月より、全社的に本腰を入れてソーシャルメディアの活用に取り組み始めました。LINEの活用もその一環です」と同社 ビックコンタクト 営業部長 伊藤雅之氏は続ける。
セグメントできるか否か、それがLINEとDMの差だ
同社は、2つのLINE@アカウント(ビックコンタクト/ビックスポーツ)と、LINE公式アカウントを運用している。
(1)【LINE@アカウント】ビックコンタクト:友だち数約9,500人(2013年1月~)
(2)【LINE@アカウント】ビックスポーツ:友だち数約6,200人(2013年1月~)
(3)【公式アカウント】ビックカメラグループ:友だち数約40万人(2013年4月~)
「LINEの公式アカウントに関しては、主に販促目的で使っています。月に2回ほど、メッセージを配信しています」と清水氏。LINEでクーポンを配信する前は、チラシやDM、メルマガ等でクーポン配信を行っていたという。公式アカウントの予算はチラシやDMの費用からシフトさせたそうだ。ただ、「効果のあるDMに関しては、LINEとすみ分けて併用しています」と清水氏。
「例えばDMであれば、ポイントカード情報を利用して、何歳以上の方(年齢)、この店舗でいくら以上買った方(購入履歴)、といった条件でセグメントすることができますよね。その一方で、LINEはセグメントができないので、幅広く全国的にクーポンを配布する際に使っています」(清水氏)