LINE@アカウントの友だちはお店に行く自分を意識している
公式アカウントとLINE@、双方を組み合わせて活用するパルコ。それぞれの特性についてうかがったところ、「公式アカウントには公式アカウントのよさがあるし、LINE@にはLINE@のよさがあります」と會田さん。

「公式アカウントの友だち数は420万人の中には、パルコアラキャラクターのスタンプに惹かれて友だちになっていただいた方が多く、スタンプを通じて企業ブランドの認知向上に大きな成果がありました。その一方で、各店舗のLINE@アカウントに関しては、わざわざ自分が行く店舗を選んで友だちになってくれていることもあり、その店舗に行く自分を意識していますよね。だからこそ、池袋パルコのLINE@アカウントと友だちになっている人は、池袋パルコで使えるクーポンを送るときちんとお店に来てくれるのだと思います。O2Oという意味では、LINE@は非常に効率のいいコミュニケーションツールです」(會田さん)
全国に19店舗を展開する同社だが、関西と横浜には店舗がないこともあり、日本中カバーするメディアを買っても無駄があるそうだ。一方で西東京市ひばりが丘といった、地元の人に愛されているローカルな店舗もあり、このような場合にLINE@は手ごろなツールだという。
メルマガ会員よりも、LINEの友だちのほうが来店率が高かった
また、パルコはメルマガ購読者とLINEの友だちに対して、まったく同じ内容のアンケートを行ったところ、まったく顧客の質、特に属性が大きく異なっていることが明らかになった。
「4年前にメルマガの大きなキャンペーンを行ったタイミングでメルマガ会員になったお客さまが多いです。長年メルマガを購読してくれていることもあり、パルコへの愛着心が強い方が多いです。そして年齢をみると、24歳以下のお客さまは15%でした。
それに対して、LINEでつながっているお客さまは50%以上が24歳以下で、学生や専門学校生が多かったです。また、グランバザールへの来店率は、メルマガのお客さまよりも、LINEのお客さまのほうが高いという結果になりました」(會田さん)

「LINEの施策を実行したことで、24歳以下の若い世代に確実にリーチすることができました。公式アカウントとLINE@アカウントを組み合わせることで、今までメルマガでリーチできていなかった世代に情報を届け、来店まで促し、そしてその結果を可視化することができました。今回LINEの施策で新たにリーチできるようになった24歳以下の世代は、一見消費のパイも小さそうだが、これからコミュニケーションを行っていくことで、未来の上質なお客さまに育てていきたいです」(島袋氏)