仮説3「ネットスーパーは働くママがよく使う?」
この仮説のもと、小玉氏が設定したペルソナは「家庭をしっかり切り盛りしながら仕事もしているお母さん」だった。
「実態はどうかというと、子育て世代の専業主婦が6割でした。ではなぜ、ネットスーパーが働く主婦に不評なのか、アンケート等をとりながら考えたんですが、ネットスーパーのお届け時間は『9:00~12:00』のように、3時間のタイムラグがあるわけです。この3時間の予定が立たないというのが、非常に不評でした。
この3時間の待ち時間を解消するという解決策もあるでしょうが、それには莫大なコストがかかります。働く主婦に向けては、もっと別のサービス機能やサイトを作らなければならないと考えています」
仮説4「イオンに来店するお客さまはFacebookユーザーか?」
小玉氏は、「これは失敗事例」と紹介。
「ユニクロさんのプロモーション事例で、約20万人がチェックインするという大きな成果があったという記事を読んで、では我々もやってみようかとやってみたんですが、惨憺たる結果でした。
その後、30代、40代の主婦が圧倒的に多いイオンスクエアのお客さまのFacebook利用状況を調べたのですが、あまり親和性がありませんでした。圧倒的に多かったのはLINEユーザーです。
もちろん、Facebookユーザーも育てていきたいんですが、今のところは、非常によく効くLINEに重きをおいたプロモーションをやっているというのが現状です。ただし、プロモーションの波動が大きすぎていろいろな問題も起きておりますので、そこをどうしていくのか取り組んでいるところです」
仮説5「O2Oは本当に効果があるのか?」+α
これは「効果がある」と小玉氏。
「たとえば、『ニチレイさんの冷凍食品をプレゼントします、レシート番号を送ってください』といった、メーカーさんと協働で行うキャンペーンがあるのですが、昨対同期比で20%増と、非常に大きな成果を上げることができました。
このキャンペーン、単に『商品を買ってください』というのではなくて、ブランドとの接触時間を増やすことを目指しています。たとえば、クイズに答えていくと、冷凍食品の正しい使い方、おいしい食べ方を学習できるような仕組みですね。
これは『仮説6 ウェブ単独プロモーションでも効果を期待できる?』とも関係してくるのですが、イオンスクエアの特徴として、ゲーミフィケーションを活用した、送客・集客などにこだわり、各ブランドとの接触時間を長くしています。
さらに、『仮説8 サイトの滞在時間は短くすべき?』にもかかわってきますが、冒頭に申し上げたとおり、私たちは『場』を提供していきたいと考えています。サイトへの滞在時間が長ければ長いほど、モノって売れるんですね。1968年にロバート・ザイアンスが『単純接触効果』を唱えていまして、接触時間の多さが販売にプラスに働くと。後からわかったことですが、正しい施策を行っていたんだなと」