企業Webサイトの評価が、企業イメージ、好感度、ロイヤルティに直結
こうしたWebサイトの評価も、企業そのものの評価につながっていなくては本末転倒だ。そこで、本調査では、対象企業のサイトを「閲覧した人」と「してない人」の企業好感度やロイヤルティなどを調査している。結果としては、企業情報サイト閲覧によって、好感度スコアは平均3.6ポイント上昇したことがわかった。また、ロイヤルティに関しては、個人購入意向、投資意向、就職・転職意向でそれぞれ差はあるものの効果がみられ、企業イメージに関しては、「企業理念が明確」「地球環境に配慮している」など、ほとんどの項目で向上効果が得られている。
そうした効果の高いWebサイトの例として、サントリーやイオンが紹介されたが、いずれもサイトのイメージとブランドメッセージがよく調和していることはもちろん、あらゆるコンテンツから一貫して企業理念が伝わってくるのがわかる。また、各コンテンツにおいて、内容そのもの工夫や、使い勝手をサポートする機能など、ユーザーを意識したプラスアルファがあることもわかった。榛沢氏は「情報が整理され、わかりやすいことは大前提だが、企業側の伝えたいという意欲が感じられるものが、やはり好印象につながっている」と分析する。
(下記はサントリーとイオンのサイト)


そうした「プラスアルファ」をどのように演出するか。最後に企業サイトの「習慣」について、いくつかの興味深い事項について、榛沢氏の見解が述べられた。まず、会社概要は多くの企業でシンプルに1枚にまとめることが多いが、事業内容についてもっと詳細に写真などを使って別ページに充実させることを推奨している。
また、情報が多い場合、テキスト検索やカテゴリ別整理などの使い勝手の向上が望ましく、逆に「経営理念」のような固いコンテンツについては、柔らかい表現を織り交ぜた多様な切り口と合わせておくことがよいとされた。また、近年注目度の高い環境やCSR、IR情報などについては、独自コンテンツを用意するか、少なくとも再編集する必要があるという。なお、食品・飲料業界の高評価につながった「有益情報」は、他企業も見習うべきではないかという指摘があった。
いずれにしても、プラスアルファの情報をどういうコンセプトで伝えるかが重要であり、一般の人の目線に立って制作できるよう、社内体制の見直しまで含めて考えるべきではないかと提言がなされた。
