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統括編集長インタビュー

「作った後いかに磨き込めるか、そこで勝敗が決まる」
世界を目指す、KAIZEN platform 須藤氏インタビュー


説明がいらないので楽になった

 ――リクルートでは、新規事業の開発部門に在籍していたんですよね。

 新卒でリクルートに入社後、10年勤めましたがそのうち、7年間は新規事業にかかわってきました。辞める直前はリクルートから分社化したリクルートマーケティングパートナーズの執行役員をやっていました。

 リクルートではリクナビネクストやR25など多くのサービスに携わりましたが、Webサービスの運営者側にいたときに困ったことが「A/Bテスト」だったんです。オンライン広告の部門を立ち上げ、リスティング、SEO等の集客施策、最近ではアドテクジーを徹底的に活用しWebサイトへ人を集めるところまでは洗練されましたが、連れてきたお客さんの“もてなし”をどうするか。来てくれた客に何を提供できるかを考える段階にきたなと感じていました。

 客の属性がわかっているなら、対象者に合わせてUIを変える必要が必ず出てくるはずだと思いましたが、「A/Bテスト」には膨大なコストがかかる。そこで、テクノロジーで面倒なことを解決する会社をつくろうと思ったんです。

 ――起業のリスクを取らず、リクルートの中の一事業としてやってもよかったのでは?

 リクルートの中でやるか、外でやるかと考える前に、世界に通用するサービスを作りたいと思ったんですよね。アドテクノロジーの会社が特徴的ですが、グローバルに展開している会社は強いじゃないですか。インターネットは世界市場なので、その世界で通じるサービスを作りたいなというのが前提にあり、困っている人は世界中います。起業は、リクルートの中でやるよりも、外でやったほうが、自分が描いている世界に通じるサービスが作れるのではないかと考えた結果です。

 ――世界というのは、具体的に何か国程度での利用を想定しているんでしょうか?

 今は英語、日本語でサービスを提供していますが、アカウントをみると9か国で使われています。今後は世界50か国以上で使われるサービスにしたいと考えています。

 ――リクルートの新規事業部門トップの立場からスタートアップのトップになって、何か変化はありましたか?

 すごく楽ですね(笑)。企業の中では新しいことをはじめる場合、まず、説明するところからはじめますよね。3か年計画を立てるのに3か月かかっていたりするわけですよ。今だと、30分(笑)。そこまで極端ではなくても、「もし大企業の中なら、このスピードでは立ち上げられないだろう」というのはすごく感じます。

 ――リクルートは、自由で、スピード感がある会社に見えますが、それでもやりたいことをスピード感を持って作ることはできていなかったということですね。

 たとえば、弊社には25人の従業員がいますが、今日はエンジニアは誰も出社していません。新宿、相模原、恵比寿、大阪、バリ島と開発拠点は5つあり、リモートで作業していいということになっています。出社も休暇取得も自由。1週間に2回の定例会議や、2週間に1回、エンジニア15人全員が出社する日を設定しています。

 こんなことを、すでにルールが定められた企業でやろうと思っても難しいですよね。スタートアップ企業だからこそ、新しいものを作るのに適した働きやすい仕組みを土俵から作ることができ、いいエンジニアを採用することができるわけです。どういう会社にしたくて、どういう人を採用したいかを考え、組織の土台を変える。もちろんリスクは高いんですが、自由度が高いほうが圧倒的にスピードは早いということは起業して実感しています。

 ――バリ島に移住して日本の仕事ができるなんてうらやましいかぎりです。出社しなくていいという会社のスタイルは最初から決めていたんですか?

 そもそも創業時は、あるスタートアップ起業の会議室を間借りしていたので、オフィスが狭すぎて全員が出社できなかったんですよ。しかも男性ばかりで“男子部室”のようなにおいがしてきたので、最初の仕事が「ファブリーズを買いに行くこと」だった(笑)。

 とくに今年の夏は暑かったので、出社後すぐにみんなスタバに行って仕事をする、というような状況だったので、「コレ、やめない?」ということになったんです。

 ――今後の展開は?

 来年から移住して、サンフランシスコとニューヨークの2拠点をベースに本格的にアメリカのマーケットを開拓していきます。アメリカという大きなマーケットでこのサービスが人々の目にどう映るのか、英語圏で通じるサービスなのかどうか、かなり興味があります。3年で売り上げ100億円規模の事業に育てるつもりです。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

中原 美絵子(ナカハラ ミエコ)

フリーライター。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/08/09 00:05 https://markezine.jp/article/detail/19021

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