アップグレードの手順は2つだけ
アップグレードの手順は非常にシンプルです。
- ステップ1:バックエンドの移行処理を管理画面上から行う
- ステップ2:トラッキング コードをユニバーサル アナリティクス用に書き換える
ステップ1:バックエンドの移行処理を管理画面上から行う
バックエンドの移行処理と表現すると難しそうに聞こえますが、専門知識を持ったエンジニアではなくてもGoogle アナリティクスの管理画面上で簡単に行えます。
「Universal Analytics アップグレード」をクリック



移行処理には 24~48 時間ほど要します

このステップ1の作業だけで計測上はユニバーサル アナリティクスに移行されます。なお、移行処理が完了してもGoogleからの通達はありません。移行処理に要するとされている24~48時間が経過したら管理画面を確認し、移行処理が完了したことをご自身で確認しましょう。

移行処理が行われている間も、計測は行われますのでご安心ください。ただし移行処理の完了後に、移行前のバージョンには戻すことができませんのでご注意ください。
ステップ2:トラッキング コードをユニバーサル アナリティクス用に書き換える
ステップ1の移行処理を行えば、サイト内のトラッキング コードの記述がga.jsのままでもユニバーサル アナリティクスとしての計測は開始されます。通常のページビュー、イベントトラッキング、eコマースなどの計測も同様です。
しかし前述のとおり、今後リリースされる新機能はユニバーサル アナリティクスでの利用が前提となります。ユニバーサル アナリティクスの機能を最大限に活用したいのであれば、トラッキング コードの記述をユニバーサル アナリティクス用に書き換えることを推奨させていただきます。
なお、ステップ1を行わないままトラッキング コードをユニバーサル アナリティクス用の記述に書き換えても計測はできません。かならずステップ1の移行処理が終わってからステップ2に着手してください。Google アナリティクスのディベロッパーサイトには各バージョンにおけるトラッキング コードの記述方法が掲載されていますので詳細はそちらをご参照ください(タグ設定リファレンス)。
下記にga.jsとユニバーサル アナリティクスの違いによる実装時の注意点をまとめました。アップグレードを行う前にぜひ一度目を通していただき、ご自身が運営されているサイト内で該当する箇所があれば移行前に把握しておきましょう。
カスタム変数はカスタムディメンションへ
ga.jsのカスタム変数は機能が拡張されてカスタムディメンションとなります。アップグレード前に計測していたカスタム変数の数値はユニバーサル アナリティクスになっても標準レポートやカスタムレポートで確認できます。
しかしカスタム変数の計測は上述のサポート期間内を過ぎると計測されません。そして過去にカスタム変数で計測していた数値はカスタムディメンションに引き継ぐことはできません。カスタム変数で計測していたものを引き続き計測したい場合は、アップグレード後の早い段階でカスタムディメンションでも同時に計測を開始しましょう。
ユニバーサル アナリティクスがまだ対応していない機能がある
2014年2月時点でユニバーサル アナリティクスはまだベータ版となっており、ga.jsの機能がすべて完全に利用できるわけではありません。特にdc.jsを利用したディスプレイ広告との連携で実現できる下記の機能は、2014年2月の時点ではユニバーサル アナリティクスが対応できていません。
- リマーケティング連携
- Google ディスプレイ ネットワーク インプレッション レポート
- DoubleClick Campaign Manager レポート
- ユーザー属性、インタレストレポート
現在dc.jsをご利用しており、アップグレード後も引き続き利用したい場合は、ユニバーサル アナリティクスがdc.jsに対応されるまでアップグレードをお待ちいただくことをお勧めします。
一部のメソッドが管理画面上で設定できるようになる
下記のga.jsのメソッドはユニバーサル アナリティクスでは管理画面上から設定できるようになります。

既存のプロパティで上記のメソッドを利用していたら、アップグレード後に管理画面上から設定を行いましょう。
Google タグマネージャやモバイルアプリSDKはどうする?
通常のトラッキング コードとは異なるケースについても補足させていただきます。
- Google タグマネージャで配信しているタグテンプレート
- モバイル(Android/iOS)アプリSDK
- フィーチャーフォン計測用サンプルコードやライブラリ
Google タグマネージャで配信しているタグテンプレートはどうする?
サイト内に実装されたGoogle タグマネージャのトラッキング コード自体を書き換える必要はございませんが、Google タグマネージャ上で配信設定しているga.jsのタグテンプレートをユニバーサル アナリティクス用のタグテンプレートに差し替えていただく必要があります。
ただしga.jsのタグテンプレートの設定をそのまま変更するのではなく、同様の設定を行ったユニバーサル アナリティクス用のタグテンプレートを未配信の状態で用意しておきましょう。
- ga.jsのタグテンプレート(UA-XXXXX-X) 配信中
- ユニバーサル アナリティクス用のタグテンプレート(UA-XXXXX-X) 未配信
ステップ1でバックエンドの処理がユニバーサル アナリティクスに切り替わったことを確認したら、ga.jsのタグテンプレートを配信停止し、ユニバーサル アナリティクス用のタグテンプレートを公開します。
- ga.jsのタグテンプレート(UA-XXXXX-X) 配信停止
- ユニバーサル アナリティクス用のタグテンプレート(UA-XXXXX-X) 配信中
仮にユニバーサル アナリティクス用のタグテンプレート設定に不備が生じた場合でも、上記の手順で進めればすぐにga.jsのタグテンプレートに戻すことが可能になりますのでリスクを最小限に留めることができます。
モバイルアプリSDKはどうする?
Google アナリティクスではアプリを計測するためのモバイルアプリSDKが用意されています。モバイルアプリSDKのアップグレード対象はv.1.xとなります。現在ご利用中のモバイルアプリSDKのバージョンがわからない場合は、実装を担当したエンジニアに確認してください。
またはGoogle アナリティクスのレポート画面が通常のウェブサイトの計測と変わらないようであればv.1.x、アプリ専用のレポート画面になっていればv.2.x以上となりますのでレポート画面からご自身で確認いただくことも可能です。
アップグレードすることで利用できる機能もありますので、現在v.1.xをご利用の場合は前述の自動移行が完了した後にトラッキングコードのアップグレードしていただくことを推奨致します。なお、v.2.x以降のモバイルアプリSDKはすでにユニバーサル アナリティクスによるものなので変更は必要ございません。
フィーチャーフォン計測のサンプルコードやライブラリはどうする?
フィーチャーフォンのサイトを計測するためのサーバサイドのスニペット、YT-XXXXX-XやMO-XXXXX-XというトラッキングID、従来のライブラリなどを使用している場合は、モバイルアプリSDK v.1.xと同様にユニバーサル アナリティクスへ自動移行されます。移行が確認できたらトラッキング コードをMeasurement Protocolに書き換えましょう。