モンゴルのデータを例に、アレクサの統計の弱点を検証する
Alexaでは、国別のトラフィック上位サイトをランキングしているので、モンゴルの上位サイトを見てみます。
ここから、モンゴル向けにのみモンゴル語で提供されている上位サービスについて、いくつか過去5年間の統計データを見てみましょう。
さて、アレクサのデータからすると、モンゴルで上位の人気サイトは、どれも2007年に入ってから10倍近いトラフィックの伸びをしめしています。モンゴルで携帯電話の普及が伸びているというニュースはどこかで見ましたが、ウェブの利用が一年もしないうちに本当に10倍に伸びたのでしょうか?
他の指標とつきあわせるという意味で、モンゴルの政府統計公報を見てみます。幸い、モンゴル語と英語の併記となっていました。公開されている最新の2007年6月版によれば、インターネットの利用料金も、インターネットアクセスの提供規模も、2006年とほとんど変わるところがありません。
次に、モンゴルの国別ドメイン(.mn)で、アレクサ(alexa.com)について語られているページを検索エンジンで検索してみます。
出てきたほとんどのサイトはモンゴル語で読めませんが、いくつか開いてブログらしいものの日付を見てみると、早いもので2006年の10月、多くは2007年の言及です。

この例から読み取れるように、モンゴル語圏のウェブでは、2006年の終わりごろからアレクサとアレクサ・ツールバーの存在が知られるようになり、それに呼応するようにモンゴルでサービスをしているネットサービスの多くが、実際にはありえないほどの伸びを、それもほぼ同じ伸び率で記録していることになります。
今回たまたまモンゴルを対象に調べてみて、例として出すには極端すぎる結果が出たので私も驚いたのですが、モンゴルの場合はネット人口もですが総人口自体が小さいこともその理由かと思います。以前ベトナムでも同様の調査をし、主要なベトナムのサイトについてアレクサの統計がある期間に突然2倍になったのもわかっています。


