アンケートという形式がもたらす「プライミング効果」
プッシュ通知を受けた人は、「Answerz」で3問のアンケートに回答する。問題には画像とテキスト、動画も使うことができる。利用できる動画は、テレビCMと同じ15秒。CMコンテンツをそのまま活用してもいいし、YouTubeで公開している本編を紹介するティザーとして活用することもできる。回答方式はシングルアンサー、マルチアンサーのいずれかを指定する。
アンケートの途中で企業のランディングページを表示することもできる。ランディングページには、YouTubeやFacebookを指定してもいいだろう。これらランディングページをワンタップでソーシャルメディアにシェアするメニューも用意されている。
そして最後の質問に答えてアンケートを完了することで、はじめてポイントが確定する。3問という短いアンケートだが、そこで訴求できる情報は非常に豊かなことがわかる。
このアンケートという形式には、あるユニークな特徴があると石川氏は指摘する。まず、人は「アンケート」と認識した瞬間に、その文章を読んで答えようという体勢になる。つまり精読性と選考性を高められるため情報を確実に伝えやすい。加えて、この性質を利用し、自分ごととして脳のスイッチをオンにさせるような内容のアンケートにできれば、心理学の世界で「プライミング効果」と言われる先行刺激を与え、前のめりの状態でランディングページに連れてくることが可能になるのでは、というのがこのサービスの発想である。
536種類の属性をもとにした強力なターゲティング
FastReachにはもうひとつ強力な特徴がある。それが「ターゲティング」である。FastReachでは、Answerzユーザーの年齢や性別など16種類の「基本属性」と、「ファッション」や「フード」といった520種類の「興味関心属性」を組み合わせてターゲットを抽出することができる。
また、回答結果から「Q1の選択肢3を選択した人」「Facebookにシェアしてくれた人」といった多様な条件でオーディエンスリストを抽出可能となっている。これらのリストを活用することで、特定の集団に継続的に接触するシングルソース・マーケティングが可能となる。また、フレッシュなオーディエンス母集団だけに効率的にリーチしたい場合には、除外リストとして利用することもできる。
予算外でできる、おまけのアンケートも
FastReachでは、クライアントにとってうれしいプラスアルファも提供している。さきほども触れたように、FastReachでは属性を指定してアンケートを配信する。しかし、条件に合う人が10万人いたとしても、5万人に配信する予算しかない場合、条件に合う人が5万人余ってしまうことになる。このとき、予算外でアンケートを行う仕組みを用意しているのだ。
そのプロセスは非常にユニークで、アンケートに回答した5万人の力を借りてアンケートの回答権をプレゼントするというものだ。アンケートを完了すると、Answerzユーザーのニックネームが3名提示され、この中からひとりを選択すると、その人にアンケートを配信することができる。そして、ゲーミフィケーションによって、プレゼントした人も、された人も、アンケートに答えることでさらに大きなポイントを獲得する機会が与えられる。
予算外で行われる、いわばおまけのアンケート。これは、オーディエンスのアクティブ率を高く維持することにも貢献している。