マルチデバイス対応の第一歩は、閲覧デバイスの把握から
高氏の実感として、マルチデバイス化のスピードは想像以上であり、クリエイティブも含め早急な対応が求められた。しかし、あえてサイトではなく、「メール」の対応から着手した。プッシュ戦略の重要ツールであり、短いスパンでPDCAが回せるメールの最適化こそ、サイトを含めたマルチデバイス対応における有効な指標になると考えたからだ。
そこでアマナが利用したのが、『MailPublisher』の「開封エンゲージメントサービス」である。HTMLメール受信者のデバイス状況を分析し、ユーザーの実態を把握することで、サイトを含めたクリエイティブの最適化の指標としたわけだ。このアプローチについて吉澤氏は「非常に重要なステップ」と評する。
「一番目につき、まず取り組みたくなるのが、やはりクリエイティブの最適化です。しかし、やみくもに取り掛かるのではなく、まずは自社のユーザーのデバイス状況を正しく把握することが大切です。その上でどのデバイスにフォーカスするかを選定し、クリエイティブや配信タイミングをどうするかを考え、結果の分析を行って反映し、最適化を図っていきます。ブラウザの分析は比較的行われていますが、盲点になりがちな『デバイス』という切り口で分析し、可視化することが大切です」(吉澤氏)
モバイルユーザーとのミスコミュニケーションを把握する
「開封エンゲージメントサービス」によるメール配信により、アマナのメールクライアントは64%がAppleMail、8%がiPhoneであることが判明した。アマナのユーザーは主にデザイナーなどのクリエイターであり、Mac利用者が多いことからAppleMailが最も多いことは想定内だったが、8%というiPhoneでの閲覧率は想像以上の高さだったという。
「しかし、モバイルによる閲覧が増えているにも関わらず、その半数以上がすぐにメールを削除してしまうことが判明しました。それは新しい顧客であるモバイルユーザーとのミスコミュニケーションが起きている可能性が高いことを意味します。早急に対応しなければと思いました」(高氏)
なお吉澤氏によると、エクスペリアンの調査では調査対象にECサイトが多いこともあり、モバイルでの閲覧は65.5%とアマナの8%を大きく上回る。こうした数値を鑑みても、業種や業態によって閲覧デバイスの割合は異なる可能性が高く、だからこそ自社のユーザーのデバイス状況の把握、可視化が重要というわけだ。
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