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LINEで国境・言語の壁を乗り越える!日本のLINEマーケティング成功事例をアジア諸国へ横展開/ユニクロ・ロッテの事例紹介

ユニクロ:台湾の総人口の2割にLINEでリーチ!

 そして田端氏から、クロスボーダーでLINEを活用した企業事例が紹介された。まずは川上から川下まで、一貫してマーケティングプロセスにLINEを活用しているユニクロの事例だ。ユニクロは世界各国で事業を展開している、日本を代表するグローバルブランドだ。日本におけるユニクロの公式アカウントの友だち数は220万人を超え、セール情報の配信などに活用している。

 そして日本だけでなく、台湾においてもユニクロはLINEをマーケティングに活用している。香港のユニクロの公式アカウントの友だち数は約440万人で、それは台湾の全人口のおよそ4分の1に相当する。その公式アカウントを核に、LINEを活用した様々なマーケティング施策を行っている。

 「特に注目すべきはスタンプ施策を実施せずに、100万人以上の友だちを獲得したこと」と田端氏。具体的には、公式アカウントを開設後の1か月間、アカウント登録で10%オフクーポンを配信したことが友だち増加のフックになったという。加えて店頭やウェブサイト、Facebookページなどで、LINEの友だち登録を呼びかけた。そして、公式アカウントの友だち数と比例して、店頭への送客数が増加する効果を実感したことから、友だち数をさらに増加する目的でスポンサードスタンプ施策に至った。

ユニクロxLINE UT「LINE FRIENDS」

 ところで、先日ユニクロのTシャツ「UT」とLINEキャラクターがコラボレーションした商品が日本においても発売された。さらに台湾の店頭では購入者にインセンティブとしてLINEキャラクターグッズをプレゼントするなど、単純なプロモーションだけでなく、商品を開発する段階から店頭まで、共同マーケティングを一貫して行っている。「上流から下流まで、LINEを使ったマーケティングで企業の課題解決の支援ができれば」と田端氏。

ロッテ:日本での成功事例「コアラのマーチスタンプ」をアジア諸国で横展開

 そして次に、キャラクターを活用してアジアの複数国で認知を拡大させた事例として、ロッテの取り組みが紹介された。この施策は、日本でのスポンサードスタンプの成功事例をもとに、海外展開をはかったものだ。(関連記事はこちら

「コアラのマーチ」スタンプ

 ロッテのコアラのマーチは、1984年に発売。2014年に30周年を迎え、その記念の一環として、スポンサードスタンプ施策を行った。ダウンロード数は600万弱、ユーザー間での利用数は4,000万回を超えた。そしてスタンプ配信から2週間後の時点でコンビニエンスストアの売上が前年度比116.7%、その翌週も前年度比111.5%にアップした。認知向上だけでなく、店頭で商品が動くことを実感したことから、2013年9月に日本と全く同じスタンプを台湾、タイ、韓国、シンガポールの4か国で配信し、国を超えた施策の横展開に至った

 「全世界のマーケティングを考えていく中で、世界は小さくなったとは言えど、言語の壁は依然として大きい。“言語依存しない”というLINEのスタンプ(海外ではステッカーと呼ぶ)は、これまでのマーケティング手段にはなかった大きな特徴だ。

 テキスト中心になりがちだったTwitterやFacebookでのマーケティングコミュニケーションとはまったく異なる。この特性を利用して、全世界で同時に、バイラルで拡散させて、複数か国で同時に垂直立ち上げ的にブランド認知を高めていくことができる」(田端氏)

 現時点での日本から広告展開が可能な国は、台湾、香港、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアの6か国(2014年4月時点/他の国は応相談)だ。「LINEは日本発のアプリだが、すでに85%以上は海外のユーザーが占めており、もはや日本人のためだけのものではない。LINEは国を超えて人と人、人と企業のコミュニケーションを活性化していく。アジアでビジネスを展開していく上で、政治や外交など難しい問題は多々あるが、それらのボーダーラインをラインで乗り越えていく支援ができれば」と田端氏は締めくくった。

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

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MarkeZine(マーケジン)
2014/05/13 08:00 https://markezine.jp/article/detail/19932

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