ブログの多大なる影響力
これらの背景の中でも、特に「ブログ」の登場による影響は大きい位置を占めています。個人ユーザーからのインターネットへの参入障壁が格段に下がり、コンシューマー自身が情報の発信者となって、同時にRSSで構造化されたウェブ文書が大量に生成されました。これに伴って、副次的にRSS検索やRSSアグリゲーション、シェアリングを応用したサービスが大量に現れました。ブログ検索、評判検索、フィードリーダー、ソーシャルブックマークなどが現在成長期に入ろうとしているサービスの実例です。
しかしながらこのところ、‘05年に一気にブレイクしたこれらWeb2.0的サービスのムーブメントに対して、「ユーザーも喜ぶ理想的なサービス群ではあるが、結局儲からないのではないか?儲からないと長続きしないのではないか?」という懸念がインターネット業界内外に蔓延し始めています。
Web2.0的3つの収益源
Web2.0的なサービスにおける収益源は、おおまかには今のところ3つに絞られています。Google Adsenseに代表される「コンテンツマッチ広告」やAmazon Associateに代表される「アフィリエイト」、サービスのモジュールやパッケージを企業の社内利用や企業プロモーションなどのビジネスユースに転化する「B2B提供」の3つです。
ただ、これだけでは根本の収益基盤を持つGoogleやAmazonのような巨人のみが儲かることになり、市場全体が潤うほどの経済的な回転は見込めない、という見方が大勢を占めています。
これに対して新たなビジネスモデルを創出しようとする取り組みが進んでいるのが、昨今の情勢です。
オンライン上のユーザー行動の変化
ユーザー、すなわち消費者の価値観の多様化や消費者に流れ込む情報の氾濫といった背景は、バブル景気以降のトレンドとして長らく定着してきました。すでにインターネットも含めた5大メディアにおいては、ユーザーの可処分時間とアテンションを奪い合う戦争が起こっているといっても過言ではありません。
そのような状況を背景に、特にインターネットを早い時期から駆使してきたアーリーアダプターと呼ばれるユーザーの中で、「AISCEAS」(アイシーズ)という購買行動の特性が顕著になってきています。