総勢600名が米国サンフランシスコに集結
5月28日から29日にかけて、米国サンフランシスコで「Google アナリティクス サミット 2014」が開催された。今年は世界52か国(前回は47か国)から、約600名のGACP(Google アナリティクス認定パートナー)およびプレミアム版のユーザーが集った。
これまでのサミットと異なり、現場に近いプロダクトマネージャーやエンジニアが登壇していたのが印象的であった。どんな小さな機能であっても、これまで待ち望まれた機能や利便性を向上させるものについて発表するようなシーンの際は、会場からも拍手喝采が沸き上がり、担当エンジニアに対するリスペクトが会場全体にも感じられた。
守秘義務の関係上、発表のすべてをお伝えすることはできないが、注目すべきGoogle アナリティクスの新機能についていくつか触れたいと思う。
データはアクションを起こしてこそ意味をなす
今年のサミットのテーマは「Data in Action」。「データをアクションに繋げる」という意味では特段目新しくはないが、少し拡大解釈して「データはアクションを起こしてこそ意味をなす」といった思いが込められているのかもしれない。
サミット全体を通じて、分析の利便性を向上させるもの、データの可視化がより精緻になるものなど、様々な新機能のレビュー・発表があったが、マーケット担当者のみならず、デジタルマーケティングに関わる人全般に対して「目的・ゴールを常々忘れてはならない」という啓蒙に受け止められた。
拡張Eコマース
これまでのEコマース機能が刷新された。購入完了時だけでなく、
●商品詳細
●カート追加
●チェックアウト
●購入完了
といった各ステップでの進行と離脱、いわゆる購買ファネルが計測できるようになる。また、ステップごとにデバイスや商品、キャンペーンといったディメンション(軸)と掛けあわせて見ることもでき、これまでのEコマース機能よりもより深い顧客の購買行動の分析ができるようになる。
商品データについては、例えばデータインポートの機能(※後述)を利用して返品(Refund)データを投入することにより、購買後のユーザー行動をレポートに反映させることができる。さらに、そのレポート上で「カート追加からチェックアウトに進んだ顧客」といった形で直接セグメントを作成することができ、そのセグメントを適用したまま他のレポート、例えば「ユーザの分布」レポートの「年齢」で属性情報を見たりすることや、そのままリマーケティングキャンペーンに設定することも可能になる。
このようにEコマース単体の機能が強化されるだけでなく、他のレポートとの掛け合わせがより直感的にできるようになることで、ECサイトの運営者やマーケティング担当者にとっては、より深い洞察と意思決定がスムーズに行えるようになるだろう。