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宣伝費ゼロで合計300万DL突破アプリの施策裏話

きっかけは妻のある行動 宣伝費ゼロで合計300万DL突破!「My Heart Camera」「Pico Sweet」ができるまで

競合との差別化になるデザインを模索

 女性向けアプリで、女性ユーザーの信頼を得るために重要な要素のひとつが、ビジュアルデザインです。写真をデコるアプリについていろいろ調査していくと、特に国内ベンダーのものは、プリクラや、ガラケー時代に流行ったデコメの延長線上にあるものが目立つことがわかりました。

 テイストとしては、ポップでかわいらしい感じで、少し幼い印象です。一方、海外ベンターのものは、アート寄りでクールなものが多く、どちらかというと、大人っぽい印象です。

 川野辺くんは、デザインのトレンドをつかむために、次のようなサイトにアクセスしては、「app」や「ui」などキーワードで検索してヒットしたものを参考にしていきました。

 2013年頃からスマートフォン業界ではiOS7、Android4によってフラットデザインが推し進められます。

 リアルなものに似せたデザインではなく、フラット、グリッドといった、どちらかというとデジタルな雰囲気のデザインです。一方、写真加工のトレンドは、手描き、ヴィンテージやグランジテイストといったアナログ感というのがわかってきました。

 「My Heart Camera」や「Pico Sweet」は、国内に競合が多いプリクラふうではなく、海外製のアプリっぽい雰囲気で、フラットなUI+手描きのアナログ感を織り交ぜたデザインに仕上げています。

 写真を装飾するスタンプなどは、手描きやアナログタッチのものを中心に、ポップからクールまで、女性ユーザーが、カワイイ・かっこいいと思う、さまざまなテイストのスタンプを収録しています。

 あまりに海外向けテイストだと近寄り難く、プリクラっぽいと先行している競合に負けてしまうし、海外へ展開しにくくなりますので、両者のいい塩梅を模索しました。

 こうして、私たちなりのデザインの方向性を確立し、競合との差別化をしていきました。ファッションアイテムの分野で例えるなら、おしゃれなバイヤーが海外の良品をセレクトした日本のショップのような雰囲気ですね。

ここでも奥さまの意見を参考に

 結果はそうなりましたが、男性の川野辺くんは当初、はたしてどんなデザインが受けるか、女性ユーザーがどんなものを支持するのかわかりませんでした。そこでまたもや登場するのが奥さまです。

 デザインの参考にさまざまなサイトを見て、良さそうなモチーフや写真を見つけては、奥さまに見てもらって、それがかわいいか、そうでないかをすぐ判断してもらいます。そして、自身がデザインしたアイコンやアプリのUIについても奥さまに確認をしてもらって、反応が良いものに変更していきました。

「My Heart Camera」ホーム画面の変遷の例。
川野辺くんは、奥さまをはじめとする女性ユーザーのリアルな反応を見て
デザインの微調整を行っている
「My Heart Camera」ホーム画面の変遷の例。川野辺くんは、奥さまをはじめとする女性ユーザーのリアルなの反応を見てデザインの微調整を行っている

 というわけで、今回は、「My Heart Camera」や「Pico Sweet」を企画するにあたって知恵を絞ったことのうち、次の3点について紹介しました。

ポイント
  • ひと言で他人に伝えられるコンセプト。シンプルでわかりやすいものほどよい。
  • バズを誘引するユニークな機能。技術面では普通の機能でも、演出次第で口コミの起爆剤となる。
  • 競合の差別化になるデザイン。トレンドをとらえて、人気のあるテイストを加える。

 次回は、ユーザーとの大切な接点となる、App Store掲載内容の最適化について説明します。ご期待ください!

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・翻訳ツールなど...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/08/11 08:00 https://markezine.jp/article/detail/20590

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