SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

「あのキャンペーン」の担当者に直撃!

オウンドメディアの熱量を周囲に伝えるには?50万人が参加した楽天「ソーシャルビールかけ」

盛り上がりの波に乗り、結果はKGIの1.6倍に

 楽天ではKPI(Key Performance Indicator、重要業績指標)で事業を管理している。つまり、ブランディングやクリエイティビティが良い、というだけでは企画は採用されない。当然、「ソーシャルビールかけ」にも数値目標が求められた。「今回は、事業ゴールとして優勝セールの売上につなげるという目標がありました。そのためには、セールを盛り上げる必要があります。ですから、KGI(Key Goal Indicator、重要目標達成指標)にはセールの送客数を、KPIにはキャンペーンの参加者数・瓶の振られた回数・TwitterとFacebookによるシェア数を設定しました」と田島氏。結果的には、セールの送客数は目標の1.6倍という結果になったという。

 「キャンペーンの参加者は急激に増えたというより、少しずつ増加しました」と田島氏は語る。楽天イーグルスの優勝という波に乗って、じわじわ情報が広がった。「世の中の“うねり”がキャンペーンに跳ね返ったという感じ。実際に毎日ソーシャルメディアを見ていると、期待の波が高くなっていく様子が見えました」と田島氏。特に、リーグ優勝が決まった後、セ・パ両リーグ対抗の日本一決定戦まで間は、駆け上がるように、キャンペーンの計測値が上昇していったという。

 「ソーシャルメディアは世の中の流れがそのまま反映されます。そのために、操作ができません。今回は仕掛けるのではなく、みなさんの気持ちの流れに乗る形で、一緒に盛り上がっていくことができました」と田島氏。

キャンペーンを通して得た「気付き」とは?

 今回のキャンペーンを通して、田島氏は「ソーシャルパワー」を改めて実感したと語る。日本ではソーシャルメディアが2010年~2012年にかけて急激に浸透した。マーケティング分野でも、顧客とのエンゲージ醸成という観点で取り上げられたことは記憶に新しい。しかし、この状況について「ソーシャルメディアは流行になってしまいました。そして、今ではマーケターの間でもソーシャルメディアの話題は沈下しています」と田島氏は指摘する。「ソーシャルは流行り廃りとは異なった、もっと価値のあるもの」と田島氏は考える。そして、「今回改めて、ソーシャル上にはコミュニケーションをとるべき相手が大勢いる」と体感したという。

 ソーシャルメディアのユーザーは、企業のトラブルなどネガティブな内容に敏感だ。田島氏もソーシャル上で、様々な声に対峙している。しかし、今回の取り組みでは、非常に多くの温かいメッセージや、東北復興への想いを受けたという。まさに、ドラマが目の前で繰り広げられている状態だ。「メッセージをくださった方に、直接お礼を言いたいくらいでした。まさにソーシャル担当冥利に尽きる出来事でした」と田島氏。

ソーシャルのポテンシャルを改めて確認した、と田島氏

次のページ
クリエイティブ制作はプロ同士のぶつかり合い

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
「あのキャンペーン」の担当者に直撃!連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2014/08/25 19:20 https://markezine.jp/article/detail/20610

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング