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統括編集長インタビュー

「プロ野球で例えると今日は入団会見。本番はこれから」── 本日上場、ロックオン代表岩田氏インタビュー


 17日、マーケティングオートメーション事業およびECプラットフォーム事業を展開する株式会社ロックオンが東証マザーズへ上場した。フリークアウト、ボヤージュグループといった、アドテクノロジー領域でサービスを展開する企業の上場が相次ぐ中、株式会社ロックオンの上場の狙いはどこにあるのか。代表の岩田進氏に迫った。

上場タイミングを決めた3つのポイント

 ── 設立から13年目での上場。率直な感想は。

 上場は会社設立時から視野に入れていた目標の1つなので、ようやくという感があります。ここ数年上場のタイミングを探っている状況でしたが、決断する際に3つのポイントが重要と個人的に思っていました。その3つのポイントとは「組織力」「持続的に成長できるビジネスモデル」「市場環境」です。

 ── 3つのポイント。それぞれについて教えてください。

 上場後も持続的に成長するためには、まず「強い組織」が必要と感じていました。

 広告効果測定にフォーカスしたサービスである『アドエビス』をリリースしたのが2004年9月。オープンソースのEC構築プラットフォーム『EC-CUBE』をリリースしたのが2006年9月となりますが、リリース以降、堅調に成長させることができました。一方、サービスが広まると並行してサービス改善やサポートなど「サービスを維持する」面に負荷がかかりはじめました。

 結果的に売上は伸びているが、余分なコストがかさみ赤字になりました。ちょうど2008年ぐらいです。さらに2008年はリーマンショックが起こった年で、市況も急激に悪くなり非常に苦しんだ時期でした。この時期に勢いだけでは戦えない、もう一段強い組織にしないとマズイと感じ、2009年あたりから幹部人材の採用を積極的にはじめました。

ロックオン 代表取締役社長 岩田進氏
株式会社ロックオン 代表取締役社長 岩田進氏

 外部経験者は他社で学んだノウハウを持っています。そのノウハウを、株式会社ロックオンがこれまで培ってきたノウハウと上手く融合させることで、結果的に組織力が向上していきました。具体的なアウトプットとしては、業務フローの効率化をはじめビジネス全体を効率よく回す「仕組み」の構築ができました。

 次に重要なのが「持続的に成長できるビジネスモデル」です。当然ですが、上場するからにはある程度の成長が株主から求められます。ビジネスに正解はありませんが、せめて上場後2~3年ぐらいは120%~150%ぐらいの成長が期待できるビジネスモデルがないと、上場したことがかえって自分たちの首をしめることになるのではないかと考えていました。

 そういう意味で、アドエビス事業とEC-CUBE事業は順調な成長を見せているとともにシナジー効果も高いため、上場後も安定感のあるビジネスを展開できると想定しております。

 最後の市場環境は、私たちの力だけではどうにもできない要素ですが、上場したのにどなたにも株を買っていただけないのでは話になりません(笑)。そういった意味で、アベノミクスという追い風が吹いている今が絶好のタイミングだと判断しました。

強い組織を求める理由

 ── 「強い組織にしたい」という言葉は、以前からよく発言されていた印象です。

 強い組織を求めるのは、私のバックグラウンドが影響しているのかもしれません。株式会社ロックオンを創業する前に、異業種で2回起業してどちらも失敗しました。その失敗から学んだことは、自分一人でやれることには限界があり、思いを一緒にする仲間がいないと何もできないということでした。また、属人的ではなくビジネスを仕組みで回すような基盤を作らないと、成長していけないということも痛感しました。

 持論ですが採用という面からみると、ベンチャー企業にとって不況は追い風です。なぜなら、景気がよい時期には、大手企業に務める優秀な方々は転職をそれほど考えないかもしれませんが、景気が悪くなると世の中に蔓延する不安感からかこのまま働いても昇給はない、だったらベンチャー企業に飛び込んでみようとする方々が一定数増えてくる印象です。

 腕に覚えのある人材であればあるほど、そういった意識を持たれる印象で、弊社も2008年のリーマンショックから2010年あたりまでで、有名企業で経験を積んだ人材を採用することができました。

 そういった大手企業経験者がもたらす知見や文化を取り入れることで、誰がやっても一定の成果が出せるような仕組みが社内に浸透していきました。またその仕組みの上で業務を重ねることで、若手や中堅にも業務を仕組み化する意識が生まれはじめ、好循環を生んでいると感じます。

 少し脱線しますが、日本においてベンチャービジネスというと若い人がやるものという印象ですが、海外のスタートアップのピッチコンテストなどに参加してみると実は年配の方がすごく多いのです。

 なぜだろうと同行者に質問してみると「当たり前だろ。ベンチャービジネスは大人の大人がやるものなんだから」と言われ納得しました。ベンチャービジネスの目的は市場を創造することだと、私は捉えています。思いや勢いはもちろん大切ですが、成功するためには人材採用・マネジメントや資金調達における交渉力など、高度なビジネススキルも当然必要になるので実は極めて大人の世界なんですよね。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア部門 メディア編集部 部長/統括編集長1978年生まれ。立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、『MarkeZine(マーケジン)』の立ち上げに参画。2006年5月のサイトオープン以降、MarkeZineの企画・運営を一貫して担当。2011...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/01/22 13:09 https://markezine.jp/article/detail/20718

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