CMO不在の日本、マーケティングツールの導入のキーマンは誰が担うべきか
――マーケティングツールの導入にあたって、海外ではCMOがキーマンになると思いますが、そもそも日本企業にはCMOがいない場合が多々あります。そのような企業においては、ツールを導入する際に誰がイニシアチブを握るのでしょうか。
ケビン氏:マーケティングツールの導入は組織に大きなインパクトをもたらします。カスタマーデータを扱い、顧客の獲得やロイヤリティ、アドボカシー、そして売上や利益に関わる問題です。CMOという役職者がいなければ、CEOやプレジデントレベルの方が先頭を切るべきでしょう。
B2Bにおいて、マーケティングの責務は営業の組織の中にしばしば組み込まれている場合があります。その時は、「テクノロジーによって、どれだけ営業の生産性があがるのか」「セールスサイクルが改善することで、営業チームの結果がどれだけうまくいくのか」といった導入後にもたらされる効果を、セールスのトップの人間がきちんと理解することが重要になってきます。米国で言えば、営業のヴァイスプレジデントレベルの人たちが、導入の主導権をとっていくことになります。
一方でB2Cの場合は、コマース担当者の理解が重要になります。いわゆる小売であっても、オフラインでも、ECでも、モバイルコマースであっても、コマース関係の担当者が実際にツールを導入することによって「顧客の数が増える」「顧客の購入頻度が増える」「結果的に売上があがる」ということを実感することが非常に重要です。つまり、コマース担当者がテクノロジーの導入によって、いかに売上があがるかを見極められるかが、B2Cのキーポイントです。
そして最後に、第3のステークホルダーとして挙げなければならないのはCIOです。CIOの方々が気にしているスケールの問題、パフォーマンスの問題、それらを含めCIOの方が支援できるということが前提となります。

オラクルの強みは「データの問題を解決できること」
――競合他社については、どのような見解をお持ちですか?
ケビン氏:ガートナーやフォレスターなどのアナリストによれば、B2Cの市場においてはオラクルの競合となるのは主にセールスフォースとIBMの2社になります。B2Bに関しては、マルケトやハブスポットが挙げられます。
オラクルの差別化要因の主なところとしては、ツールだけでなく、データの問題を解決できることです。「Oracle BlueKai」では、ファーストパーティー、セカンドパーティー、サードパーティーのデータを、そしてペイドメディア、アーンドメディア、オウンドメディアといった全てのデータを統合して管理することができ、それをマーケティングオートメーションのツールに一元的に提供することができるのです。
またB2CでもB2Bでも、お客様は、モバイル、ウェブ、Eメール、あるいはソーシャル、コールセンター、そしてPOSといったチャネルを問わず、一環したかたちでビジネスを運営したいと望んでいます。「Oracle Marketing Cloud」に関しては、本当の意味でのオムニチャネルでのカスタマーエクスペリエンスを提供することができます。いくつかのチャネルではなく、全てのチャンネルのタッチポイントをカバーすることができるのです。
それから3つ目は、“Enterprise Readiness(エンタープライズ・レディネス)”。つまり信頼できるエンタープライズで使える準備ができている製品・テクノロジーであることです。CMOのみならず、CIOの信頼に足る製品になっています。そして最後は、我々は単にテクノロジーを提供するだけではなく、それに関連するクリエイティブ、分析といったサービスにベストプラクティスを加えて提供することができる点です。