ステップ1 データの準備
アナリティクスによるターゲティングの、最初のステップはデータ準備です。
手順1:現時点(tとします)で案件化した顧客と、しなかった顧客を選ぶ(顧客IDが必須です)
手順2:ひとつ前の時点(t-1)の各種データを取得し、顧客IDで手順1のデータと結合する
「時点」とは何? と思われたかたもいるかと思います。ここで「時点」の考え方をご説明します。
現在が時点(t)とすると、(t)時点の案件化した/しなかったという事実を、それより以前(t-1)の各種情報で説明します。この法則性を、現在(t)の各種情報に当てはめることで将来(t+1)の案件化が予測できる、という考え方に立っています。このデータ準備は時間がかかりますが、これが終わればあとはラクです。
ステップ2 モデル作成
次のステップはいよいよモデル作成、法則性を見つける作業です。
手順1:左列から顧客ID、案件化フラグ0/1、各種情報を順に並べてひとつのデータにします
手順2:手順1を統計ソフトで開き、案件化フラグを目的変数に、各種情報を説明変数に設定します。
(目的変数=「案件化した/しなかった」、説明変数=各種データ、でしたね)
手順3:ロジスティック回帰、ツリー分析(決定木)などの手法を選びモデル作成を実行します。
たいていの統計ソフトは、ユーザーが「モデル作成の実行」をすれば自動でモデル作成を完了してくれます(※)。ここでは、ロジスティック回帰とツリー分析(決定木)の2つの手法を例としました。ターゲティング目的では多くの場合、どちらかを使ってモデルを作ればOKです。ロジスティック回帰は稀な事象でもよく説明できる利点があり、ツリー分析(決定木)はアウトプットがグラフィカルで理解がしやすいのが特徴です。両方試してみて次のステップで比較することも有効です。
手順2では、何を説明変数とするか工夫すると良いでしょう。例えば、マーケティングの顧客に対する活動履歴を説明変数に入れて、「案件化する/しない」を説明するモデルを作成できれば、どんなマーケティング活動が案件化につながりやすいか等の示唆を得られるかもしれません。その他、セールス活動を説明変数にする、顧客属性を説明変数にする、それらの組み合わせなどいくつかパターンを作り、違いを見てみると色々な発見が得られるはずです。
※統計ソフトが自動実行した内容に満足できない場合は、ご自身で手を入れる必要が出てきます。その際は、統計学の知識やアナリティクスの経験が必要になります。