ターゲットのインサイトを突いた国内成功事例
「これまでのネットビジネスは、いかに商品を説明して売るかに注力され、商品周りのコンテンツは充実していました。コンテンツマーケティングでは、ターゲットの共感にまず注目し、そうした記事を入り口にして商品に関連性の高い記事へと誘導していきます」と語り、宗像氏は事例を提示する。
例えばメガネ専門ECサイト「Oh My Glasses(オーマイグラスィズ)」が取り組むWebマガジン「OMG PRESS」が優れているという。店頭購入が当たり前だった市場にECを持ち込み、返品無料などの試しやすい工夫とともに、自社メディアを集客に活用。ECサイトが32万UUに対し、こちらは17万UUにまで伸びている。
OMG PRESSのコンセプトは“メガネに特化したファッション誌”。最近では、検索エンジンのデータ調査から「レイバンの偽物に関して調べている人が多い」ことを知り、「Ray-Ban #5-絶対に偽物を買わないための5つの注意点。本物と偽物の見分け方」という記事をアップしたところ、大きな反響があった。そこで、記事タイトルの直下に購入ページへの大きなバナーを貼ったところ、閲覧者の2割をECサイトに誘導することに成功したという。
ほかにも、子供用品の輸入セレクトショップ「babytopia」では、「『マタニティマーク』海外の事情は?」「夫婦喧嘩が子供に与える影響」などの記事を通してアクセスが10倍に。BtoBではソフトウェアベンダー「salesforce.com」が、マーケティング情報サイト「Customer Success」においてeBookダウンロードを行うなどして、リード獲得に効果を上げている。
コンテンツマーケティングを成功させる3つの秘訣
イノーバの支援事例でも、ショッピングカートASPを手がけるデジタルスタジオの「Live Commerce blog」や、不動産向けWebマーケティングコンサルティング企業、カップル向け美容メディアサイトなどで大幅な成果が得られているという。
「うまくいっている会社は、その流入内訳の3~5割がSNS経由です。タイムラインの中に流れる投稿で自然に消費者の目に触れ、彼らが自主的に拡散してくれるという状態をつくるのが、プル型で顧客を育てるのと並ぶコンテンツマーケティングのもうひとつの側面です」(宗像氏)
最後に宗像氏は、成功の秘訣として「運用体制×戦略的なコンテンツ×場所」と提示する。質の高いコンテンツを定期的に生み出せる体制はもちろん、先の2軸のマトリクス図に基づくようなコンテンツの出し分け、またオウンドメディア構築やSEOなど、どう訪れてもらうかという意味での場所の観点も重要だ。
イノーバでは、冒頭で紹介したマーケティング支援ツール「Cloud CMO」の提供、大手出版社での経験豊富な編集者による質の高いコンテンツ制作、またこれまでの運用ノウハウを元に、日々増えるコンテンツマーケティングの実践をサポートする。
「潜在顧客のニーズを理解し、自分たちの良さを伝えるコンテンツマーケティングは、とても可能性のあるマーケティング手法です。これをもっと広めていきたいと考えています」と宗像氏。まだ見ぬ顧客との出会いを生むコンテンツマーケティング。イノーバの手がけた事例から、今後も好例がますます増えそうだ。
コンテンツマーケティングを世界で一番カンタンに!
コンテンツマーケティングを成功に導く秘訣を掲載した講演資料はこちら!「Oh My Glasses」「babytopia」に加えて、記事では紹介できなかった「Salesforce Social Success」の成功事例も掲載してますので、ぜひご活用ください。