不動産情報ポータルサイト「HOME'S」を運営する株式会社ネクストは、全国の20代、30代の女性を対象に、住まいの地域情報についてアンケートを実施した。
同社では、「地域情報とネットコミュニティの関係」 “ネットコミュニティ専門家が思い描く次世代コミュニティとは?” という調査レポートを展開している。また調査の背景として現在の「住まいのインフラ」から、「暮らしのインフラ」へ発展するため、「地域を拠点としたコミュニティづくり」を位置づけており、ビジネスの展開の一環として地域情報のニーズを総括的に捉えることを目的としている。
調査ではまず「ブログ、もしくはコミュニティサイトやSNS利用頻度は?」という質問に対し、ブログは全体の6割、コミュニティサイトに関しては7割の人が毎日利用していると答えた。同社では「昨年からトレンドとなっているブログやSNSブームに、強く影響された結果」と分析している。
次に「ブログ、もしくはコミュニティサイトやSNSの参加形式は?」との問いのなかで「閲覧とコメント投稿が中心」と答えたのは、ブログでは17.2%、コミュニティサイトでは43.7%であった。また「ブログやコミュニティで参加、閲覧しているカテゴリは?」では日記が49.8%でトップ、育児(28.8%)、音楽(26%)レシピ(23.3%)、コスメ・美容(23.3%)など女性層が好むカテゴリが支持される結果となった。
同社ではこの結果から「受動的なコミュニケーション参加が強くなっているのでは」としている。またこうした消極性が芽生えている原因を探るため、「SNSとブログの相違性とコミュニティとしての限界性に焦点を当てた分析」として下記のような記述をしている。
・SNSは招待による登録制で、サーチエンジンの検索外にある。また不特定多数の人が集まる電子掲示板と異なり、閉塞的な人脈ネットワークという特徴がある。
・ブログはサーチエンジンに積極的に露出することを目的としており、誰でも参加できる、開放的自己表現メディアというポイントをもっている。
この2点から、SNSとブログの違いは「閉塞性」か「開放性」に偏るコミュニケーション構造であると指摘。一方、現実世界のように「参加したくてもできない組織」もあれば、「誰でも参加できる組織」があるように、「閉塞性」と「開放性」が混在していることがコミュニティの重要な基盤であると述べている。またSNSやブログのように、どちらかに偏ったコミュニティ形式はコミュニケーションをより困難にすることがあり、そのためどちらもコミュニティとして位置づけるのは難しいとしている。
結論として、ソーシャルネットサービスという狭い概念から、個々人の日常を共有する(ライフ・ネットワーキング)にネットコミュニティがシフトする時期がきたのではないかと述べている。またライフ・ネットワーキングに着目することが、変化し続けるコミュニティ概念を満足させる唯一の方法ではないかとも言及している。
株式会社ネクスト:ニュースリリース「地域情報とネットコミュニティの関係」第2回調査レポート