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【短期集中連載】マーケティングメトリックス研究所所長・豊澤栄治の「アイドルとデータ分析」

データ分析における仮説と妄想、アイドル大杉な紅白とAKB・ハロプロのCD売上の因果関係を分析してみた


「出演者の7割以上がアイドル」といわれる今年の紅白歌合戦。なぜ彼女たちは選ばれるのか? 自らの仮説(妄想)と過去のデータをもとに、ロックオン マーケティングメトリックス研究所所長の豊澤栄治氏が分析します!

今年もあの季節がやってくる…

 やれやれあっという間に年度末。今年も晴れて独り身での年越しが見込まれてアレな今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?はてさて、年末の大イベントと言えば………

 「NHK紅白歌合戦」ですね、一択です。

 そう、去年は「あまちゃん」157話で橋本愛さん演じる足立ユイが初めて東京に来ることができただけでなく、能年玲奈さん演じるあまちゃんと紅白のステージに立ちました。一緒に番組を見ていた独身オッサン2人(40歳)はまるで夢のような展開に狂喜乱舞し、深く深く心を打たれました。婚活何それ美味しいの。あれからもう一年が経過しようとしています(遠い目)。

 さて、今回は紅白とアイドルとの関係について取り上げます。ただし、女性アイドルに限る。どうか悪しからずご了承ください。

※本記事におけるアイドルの定義については、筆者の独断と偏見に基いていることをご了承下さい。

2014年の紅白はアイドル大杉じゃね?

 2014年はAKBグループからAKB48SKE48NMB48、そしてHKT48の4グループの出場が決定しています。私が推す深川麻衣さんが所属する乃木坂46は大変残念ながら落選となりました(涙)。しかし、こちらの記事でも指摘されていますが、今年の紅白、確かにアイドルが多いのではないでしょうか。

出場者の75%が「AKB48G&ジャニーズ」!“アイドル歌合戦”化した『紅白』にステータスなし!?
(日刊サイゾー、2014年11月28日)

 出場者の75%がアイドルとは、このままでは紅白はアイドルに乗っ取られてしまう勢いです。いくらなんでもちょっとそれはアレです。ここ数年のアイドルブームってどうなんでしょうか? 「日本経済新聞  電子版」(日経Web刊)の関連記事検索で調べてみると、2014年の男性・女性アイドル関連記事数は過去5年で最多となっています。ただし伸び方の勢いは収まってきているようですね。

アイドル関連記事数。日経Web刊の関連記事検索のデータをもとに筆者が作成(2014年は12/1まで)
アイドル関連記事数
「日本経済新聞 電子版」の関連記事検索のデータをもとに筆者が作成(2014年は12月1日まで)

女性出演者の「4組に1組」がアイドル

 過去の紅白出場「枠」に占める「女性」および「女性アイドル」のエントリー枠を確認してみましょう(※)。最も女性エントリー枠が最も少なかったのは2010年の23枠、最多は2005年の30枠で、平均は26.7枠。アイドル系の枠は最少は1枠、最多は2013年の6枠より増えて2014年の7枠となっています。

過去の紅白における「女性エントリー」と「アイドル系エントリー」
※グラフをクリックすると拡大します

 続いて女性エントリー枠に占めるアイドル比率ですが、直近の2年は24%⇒26%とおよそ4組に1組の割合で過去最高を記録しています。

女性エントリー枠に占めるアイドルの割合の推移
※グラフをクリックすると拡大します

 アイドル関連記事の増加からもわかるように、世の中の盛り上がりを受けてアイドル枠が増加しているのやもしれません。後述する紅白の3つの選考基準「今年の活躍」「世論の支持」「番組の企画・演出」に照らして適正との判断なのでしょう。乃木坂46は……、適正とは判断されなかったものと推測されます。残念無念。ああパーンチからのピーンチ。フリン、ダメ、ゼッタイ。

※本当は、エントリー枠ではなく出演時間を使って攻めたいところではあります。

誰が出演してたっけ?

 アラフォーの皆さん、懐かしの90年代で最も視聴率をマークした紅白はいつだと思いますか…?

 そうです。安室奈美恵さんの復帰された時なんです。この時、関東では番組第二部の視聴率が57.2%となりました。1963年には81.4%(関東)あった紅白の視聴率は時代とともに減少傾向にあり、近年では第二部は40%台をキープしているものの、第一部は30%台が常となっています。ここで1998年以降にどんなアイドルが紅白に出演していたか振り返って、「あの頃」を懐かしんでみましょう(※)。

1998年以降ののアイドル出演(NHK「紅白歌合戦ヒストリー」より作成)
※図をクリックすると拡大します

 ここではザックリとハロープロジェクト系AKB系その他の3グループに分けています。衝撃的なデビューを飾った「モーニング娘。」は同年の紅白に出場、その後10年に渡って出場を続けます。細かく見ると1998~2003年までは「モーニング娘。」単独出場でしたが、2005~2007年はハロプログループとのコラボとなっています。 2007年のエントリー名はいくらなんでもセツナイ…。「他」って…(涙)。個人的には道重さんが卒業される今年、最後に出場させてあげたかった。

 この2007年は、人気アイドルグループ入れ替わりの兆しが見られた年でした。そうです、AKB48初出場の年です(リア・ディゾンさん、中川翔子さんとの同枠ではありましたが)。

 2008年はハロプロ、AKBグループどちらも出場を逃しました。アイドル枠はPerfumeのみで、その後も連続出場を続けています。Perfumeをアイドルとするかどうかは一晩かけて議論したいところではありますが、あーちゃん推しとしては見逃すわけにはいきませんでした。ごめんなさい。

 2009年に初登場のAKBグループは、AKB48が「モーニング娘。」と同様3回単独出場を果たした後、SKE48、NMB48、そしてHKT48と順調に枠の獲得に成功しています。近年はPerfumeが連続出場を続ける中で、ももいろクローバーZやE-girlsも台頭してきました。

※視聴率データは関東地区、ビデオリサーチの許諾を得て掲載。NHK総合「紅白歌合戦」番組世帯視聴率(ビデオリサーチ)

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この記事の著者

豊澤 栄治(トヨサワ エイジ)

株式会社ファンコミュニケーションズ サービス開発部 情報科学技術研究所 所長

横浜国立大学経営学部、一橋大学大学院国際企業戦略研究科卒

SPSS Japan、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー(株)、外資系運用会社(Amundi Japan)での経験を活かし、金融の分析ノウハウをマーケティ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/12/11 14:23 https://markezine.jp/article/detail/21530

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