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デジタルネイティブ世代に年賀状文化を/日本郵便[ぽすくま]、LINEを入り口に年賀状20万枚発注!

2015/01/29 08:00

 あなたは今年、年賀状を何枚受け取っただろうか。「LINEビジネスコネクト」の活用事例を紹介する本連載、今回はネットでも大きな話題となった日本郵便のLINE公式アカウント「ぽすくま」の事例を紹介する。同社 国際事業部 兼 郵便・物流商品サービス企画部の西村哲氏にお話をうかがった。

日本郵便の売上の1割を占める年賀状事業

 冬の風物詩のひとつ「年賀状」。2015年度の当初発行枚数は約32.2億枚とされており、郵便事業及び郵便局の運営を行う日本郵便の売上のおよそ1割を占めている。しかしながら、携帯電話の普及やSNSの浸透により、年賀状市場は2003年度をピークに減少を続けている。

日本郵便株式会社 国際事業部 兼 郵便・物流商品サービス企画部 西村哲氏

 「年賀状の市場は縮小傾向にあるものの、日本郵便の売上の約1割を占めることもあり、年賀事業には大きくプロモーション費用を投下しています。弊社の歴史を少しお話すると、2007年10月に郵政民営化が行われました。そこで、民営化したことで何が変わったのかを世の中の人に実感してもらうには『年賀状がわかりやすいのでは』ということになり、これを機に私は年賀状関係の商品開発やプロモーションに携わるようになりました」

 そしてまずは、年賀状を販売した後の顧客サポートを始めたという。その施策の一つが、2008年に立ち上げた年賀状作成のためのキャンペーンサイト「郵便年賀.jp」だ。1年目は約1億PVだったが、直近では2億PV超に。年賀状を「買う」「つくる」「送る」「楽しむ」「知る」といったカテゴリ―に分けて、様々なサービスを提供している。中でも最も利用されているのは「つくる」カテゴリーのコンテンツで、無料で1,000種類以上のテンプレートをダウンロードできるサービスを用意しているという。

 「かつての郵便局は、“年賀状を販売して終わり”でした。つまり、売った後はお客様まかせであったことをまずは変えようとしました。年末の忙しい時期に年賀状をつくるのは大変なことです。お買い求めいただいたはがきで、年賀状をつくっていただくためにどんなサポートができるのか。ウェブの力を使って、年賀状をつくるハードルを下げる仕掛けを作っていきました」

入口はデジタル起点で、リアルな年賀状を送る仕掛け

 加えて昨今では、「おくる」に関する課題が大きくなってきたという。若年層を中心に「年賀状を出したいが相手の住所を知らない」という人が増えているのだ。そこで同社は、2008年から2014年にかけて「ミクシィ年賀状」というキャンペーンに取り組んだ。

「ミクシィ年賀状」は、SNSを通じて年賀状を作成し、友人の住所がわからなくても郵送できるサービス。2008年の開始以来、累計350万枚を超える申し込み実績を築いた。2012年度から、他サービスとの連携により、mixiでつながっている友人だけでなく、Facebook、Twitterでつながる友人に年賀状を贈り、受取ってもらうことが可能になった。

 「携帯電話やSNSの普及により、メールをはじめとしたデジタル上のコミュニケーションが一般的になりました。ですが、お正月のあけおめメールはもらった瞬間は嬉しいですが、それは一瞬です。でも年賀状は、後で見返すこともできて、世代に関係なくリアルなものだからこその受け取った時の嬉しさがありますよね。入口はデジタルを起点に、リアルな年賀状を送るといった仕掛けに、これまで取り組んできました。その成果は年賀状市場全体でみるとまだまだ小さいですが、確実に伸びてきています」

 そして日本郵便が仕掛けるデジタル施策において、一つの境界線となったのがスマートフォンの登場だった。かつては年賀状の作成はPCで行われていたが、今ではスマートフォンが主流になりつつあるという。そして一昨年のテレビCMから、スマートフォンで年賀状を出せることの訴求を始めた。

 「今年はLINEと組んだこともあって、スマートフォンからの利用割合が急激に増えました。去年のスマートフォン経由での注文割合は6割程度だったのですが、今年はさらにスマートフォンでの利用者が増加し、8割程度を占めるまでになりました

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