Criteoは、「2015年のEC業界予測」と題したレポートを発表した。数10億のオンライントランザクションの分析から得た考察などに基づき、2015年のEC業界やオンラインマーケティング担当者に影響を及ぼし得る、主な7つのトレンドを予測・説明している。
eMarketerの調査によると、EC業界は2014年に、デスクトップ、タブレット、スマートフォン経由で、1兆5,000億ドル相当の商品やサービスを全世界で売上げた。また、インターネット広告支出は、2015年には1,600億ドルを超える見通しであり、そのうち580億ドル以上がディスプレイ広告に投じられると予想されている。
1、日本はモバイル経由のECトランザクションが50%以上に
オンライン経由での売上げに占めるモバイルの割合は、2015年末までにECトランザクション全体の40%に達すると予想される。特に日本や米国、英国といった先進国では50%を超える見込み。
2、クロスデバイスマーケティングが現実に
小売・流通企業の経営幹部および広告代理店の58%が、2015年のモバイルマーケティング活動で最も重要なものはクロスデバイスの技術であると回答しており、クロスデバイスへの対応強化が重要なフォーカスに(2014年7月/CriteoおよびDigidayによる調査より)。完全一致を可能とするユーザマッチングの精度が高まることで、クロスデバイスに対応した広告の複雑さが軽減され、小売・流通企業は大幅な売上拡大を期待できるようになるものと考えられる。
3、プログラマティックバイイングがネイティブ広告の急成長を促進
プログラマティックバイイングが、ネイティブ広告の急成長をさらに後押しする。ネイティブ広告は特にモバイル上で優れたパフォーマンスを発揮するため、パブリッシャーはCPMを高めることができる。
プログラマティックバイイング:データに基づいたリアルタイムな広告枠の自動買い付けのこと。
4、店舗販売型の小売・流通企業が、オンライン戦略への注力を強化
ウェブルーミングとショールーミングが売上げに及ぼす影響が拡大し、店舗販売型の小売・流通企業が、オンライン戦略に大きく注力するようになる。特にウェブルーミングが勢いを増しつつあり、実店舗の売上げの少なくとも10~15%はウェブルーミングによるものと考えられる。
ウェブルーミング:商品・サービス情報をオンラインで確認したのちに、実店舗で購入すること。ショールーミングはその逆で、実店舗で商品・サービスを確認し、その場では買わずにオンラインで購入すること。
5、モバイルアプリのリエンゲージメントへの注目が高まる
小売・流通企業の経営者および広告代理店の42%が、モバイルアプリ戦略の主な目標は消費者とのエンゲージメントであると回答しており、小売・流通企業はアプリのリエンゲージメントに大きな重点を置くようになる(2014年7月/CriteoおよびDigidayによる調査)。
6、広告フォーマットの自動化で柔軟性がさらに向上
多様な広告フォーマットに自動的に最適化できる技術によって柔軟性がさらに向上する。アダプティブデザイン、レスポンシブデザインなどを用いたさらなる技術の進化により、広告主は全世界の大半のインベントリにアクセスできるようになり、世界的に広告キャンペーンを拡大することが容易になる。パブリッシャーにとっても、より自由に新しい広告フォーマットを採用し、提供することが可能に。
7、アドテクノロジー業界では、さらなる買収・合併が進む
2014年にはECおよびアドテクノロジー業界において数多くの大規模な買収が実施された。2015年もグローバルかつ包括的なソリューションを求める広告主の需要を受け、この傾向は続くとみられる。アドテクノロジー業界のさらなる統合が進むことにより、マーケティング担当者にとって、よりシンプルかつ効果的なマーケティングソリューションがもたらされることが見込まれる。
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