アレもコレもは難しい、スモールスタートでノウハウの蓄積を
加藤:本来DMPで実現できると言われている、「オムニチャネルでのマーケティング成果の最大化」まではまだ到達していないことが多いです。しかし、保持している各種データをつなげたり新たな価値を見出したりしながら、顧客へのアプローチの質を徐々に上げていければと思います。情報をどう活用するかは、我々もクライアントと調整しながら取り組んでいく必要があると考えているところです。
また、特にデジタル領域は各種の専門事業者が多いので、我々も適切にアライアンスを組みながら、スピード感を損なわずにサービスを提供できるよう意識しています。
大山:ビッグデータと言われるように、取得できるデータは膨大になっています。ですが、いざマーケティング分析をしようとすると、本当に役立つデータが取れていない。そのようにデータサイエンティストから聞くことがあります。お二人が仰るように、全方位的に準備してから始めようとすると、なかなか前進できない。かといって、今始めないと3年後には取り返しようのない差がつく、ということにもなりかねないと思います。何の目的で、どう活用するかを見据えながらPDCAを回し、変化の激しいユーザー環境にも柔軟に対応していくべき、というところでしょうか。
小林:そうですね。ツールに任せられる部分は任せながらも、例えばセグメントをどう切るか、各セグメントに対してどのようなシナリオでコミュニケーションを行うかといったマーケターの頭で考えるべき戦略が成果を左右するので、そこはスモールスタートでPDCAを廻しながら自社ならではの勝ちパターンを作っていく必要があります。
テクノロジーの進化によってツールも戦略も変わる
大山:やはり、戦略を考えるのは人だということですね。企業のマーケティングのあり方が変わると、総合代理店の役割も変わってくると思います。御社として今後の展望をどう考えていますか?
小林:戦略づくり、クリエイティブ、分析といった人に依存する部分については引き続きプロとしてのサービスを提供させていただきながら、新しいツールやテクノロジーをドライバーとしてマーケティングのやり方を変えていく。その変革サポートに注力していきます。
先ほど大山さんが仰ったように、「手をこまねいていては乗り遅れる」と危機感を持たれている企業は多いので、その危機感を具体的なアクションに転化していくお手伝いが出来ればと。その際、例えば「新しいツールを使った運用を、社内でちゃんと廻せるようにしたい」というインハウス化ニーズに対して人材育成サービスや運用サポートサービスを充実させるなど、我々自身のサービス提供のあり方も進化させていく必要があると考えています。
大山:マーケターの側もテクノロジーの進化や選択肢の増加に対応して、賢く効果的なマーケティング活動ができるように変わっていく必要がありますね。加藤さんはいかがですか?
加藤:マーケティングオートメーションのような領域で日々の運用をサポートする一方、キャンペーンとして山をつくりながら企業のメッセージを伝えていく、その両方を統合的にプランニングすることが必要だと思っています。現在の双方向のコミュニケーション環境で正しく伝わるメッセージを検討していきたいですね。
また、マス広告で蓄積している電通ならではの強みや、機能を特化した各グループ会社との連携によって、クライアントのニーズに合わせてクリエイティブからストラテジーまで多様なソリューションを提供できればと考えています。
大山:デジタル領域の人材不足は各所で聞かれるので、戦略からクリエイティブまで含めた支援が可能な御社のようなパートナー企業は私たちベンダーにとっても重要な存在です。今後も企業のビジネス成果の向上に向けて協力して、日本から世界へ発信できる好事例を生み出していきたいですね。
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