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「あのキャンペーン」の担当者に直撃!

「ソーシャルと出力の組み合わせでマラソン大会の思い出作り」を、コニカミノルタが実施する認知拡大施策


マラソンに参加する人も、しない人も楽しめる体験

――何名の方がソーシャルマラソンに参加されたのですか?

浜田:東京マラソンの参加者にソーシャルマラソンの事前登録を呼びかけているのですが、今回は8,670名に事前登録をして頂きました。初回の2014年は事前登録数が6,249名だったので、ソーシャルマラソン自体の認知も広がっているのではないかと思います。また、事前登録の母数が増えると、ソーシャルメディアでの拡散数も増えるため、登録数を増やす努力もしました。

――フェイスブックやツイッターとの連動を考えたのは何故でしょうか

浜田:当社はソーシャルメディアについては早期から力を入れてきたのですが、ランニングとソーシャルメディアは相性が良いと感じています。例えば、ランニングプロジェクトのFacebookページでは、トレーニングメソッドや動画メッセージを投稿しているのですが、7万を超える皆様にご参加いただいています。また、ランニングアプリとソーシャルメディアを連動して、走った距離や場所をシェアすることも一般的です。そこに絡められないかと考えました。

 もう一つポイントがあります。ソーシャルメディアと連動させることで、マラソンに参加しない人もソーシャルマラソンに参加することができるのです。よく、東京マラソンの参加者だけに向けられた施策に投資する価値はあるのか聞かれます。しかし、そうではないのです。

 ソーシャルマラソンの参加者には「私は●時間●分で走ります」という出走宣言をしてもらいます。当然、その宣言がソーシャルメディアにも反映されます。そして、マラソン当日は、タイムの計測ポイント通過時間もシェアされます。これらの情報を見て、ランナーに応援コメントを寄せるというかたちで、走らない人もソーシャルマラソンと係わりを持っていただけます。

 ソーシャルメディアのフィードに対するユーザーの反応は、広告とそうではないもの、つまり、友だちが発信している情報で大きく変わってきます。この点でも、ソーシャルマラソンは多くの人に受け入れられていると思います。

――施策を行った結果はいかがですか?

浜田:今回の施策では、ソーシャルメディアでのインプレッション獲得数をKPIにしました。トータルで1,000万imp以上を獲得することができています。また、今回の施策をしたことで当社のFacebookページへの「いいね」や、サイトへのアクセス数は上昇傾向にあります。

 また、東京マラソンは当選倍率が高いイベントです。いわば毎年「はじめての東京マラソン」という人が多いです。そのため、ソーシャルマラソンの参加者も、毎年入れ替わります。認知拡大の施策という観点では、毎年新しいランナーにアプローチできる点も、非常に大きなメリットになっていると考えています。

体験を良くするために施された「2年目の工夫」

――ソーシャルマラソンは今回で2度目ですが、1年目と2年目で変更した点はありますか?

浜田:3つあります。ひとつは英語対応です。東京マラソンの参加者のうち、1割強が外国人ランナーです。1度目は日本語のサイトだけを用意して、登録方法を英語で説明した用紙をつくりました。ですが、すべての人が手にできたわけではありません。また、海外の方はミドルネームがある関係で、登録エラーになってしまう例もありました。そこで今回はシステムの裏側を含めた、英語対応を実施しました。

 おかげで、外国人ランナーの方々にも楽しんでいただけました。例えば、メキシコから参加された方は、計測地点ごとに家族が応援コメントを投稿してもらっていたそうです。ランナーご本人は、ゴール後にFINISHER’S REPORTを見て、地球の裏側から応援を受けていたことを知って大変喜ばれたと伺いました。

――それは素敵なお話ですね。残り2つの変更ポイントは何ですか?

浜田:小さな工夫ですが、アバターを導入しました。アバターはFINISHER'S REPORTや、ソーシャルメディアへ計測タイムをフィードする際に登場します。先ほど出走宣言について触れましたが、当日の計測タイムと宣言したタイムを比較して、順調だったら良い姿勢で走るアバターを表示させたり、遅れていると歩き気味の姿勢で表示させたりしました。1回目はソーシャルメディアアカウントの画像を付けていたのですが、より人間味を感じられるかと思います。

 ちなみに、アバターは50種類以上用意しました。ルーレットで決めるようにしたのですが、実は、力士や警察官、ロボットや侍など隠れキャラもいるのです。

2015年版のレポート(左)と2014年版のレポート(右)

 そして、3つ目がレポートに大会情報を盛り込んだことです。1回目はランナーの走行情報とソーシャルメディアのコメントだけを記載しました。ですが、今回は、東京マラソンの参加者や男女比など大会のデータも載せました。非常に些細な追加なのですが、意外とランナーは自分の参加する大会の情報は知らないものです。私たちが提供するレポートで、「東京マラソンに出た」という思い出をより強いものにしてもらう狙いがありました。

――これから施策を続けていくうえでの目標はありますか?

浜田:ソーシャルマラソンは、私たちが取り組んでいる「ソーシャルメディアと出力サービスの組み合わせによる価値創出」を、ユーザーの体験を損なうことなく伝えられる施策だと考えています。この施策を良い例として、今後は、他の場面や分野でも当社のサービスや訴求内容と相性の良い施策を増やしていきたいと考えています。

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この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/05/13 12:01 https://markezine.jp/article/detail/22290

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