ニュートラルな存在だからこそ、Tealiumが全てをつなげる“ハブ”になる
海老澤:私がTealiumを気に入った理由は「中立・ニュートラル」というポジショニングです。タグマネジメントは元々アクセス解析やDSPといったデジタルマーケティングサービスの付帯サービスとして提供されていました。JavaScriptをHTMLに追加する手間をなくすことで、そのサービスの導入障壁を下げるのがタグマネジメントに求められていたことでした。しかし、Tealiumはそういったタグマネジメントの範囲を越えて複数のサービスを接続してデータの受け渡しを実現し、顧客企業に新たな価値を生み出すツールです。その可能性に魅力を感じました。
有園:ただのタグマネジメントではなく、付加価値を付けてサービス展開できるということですね。
海老澤:そうです。

有園:今、広告業界で流行っているデータマネジメントプラットフォーム、DMPにとって代わる存在なのでしょうか。
海老澤:既存の何かにとって代わるのが目的ではなく、複数のサービスを連携させていくのが我々のミッションです。Tealiumは様々なデジタルマーケティングサービスが生み出す情報からユーザーをセグメント化し、その上でタグの出し分けやAPIによるシステム連携を行います。パブリックDMPから提供されるオーディエンスデータ・サイト上の行動履歴やABテストの結果をプライベートDMPに引き渡し、そこからリマーケティング広告を配信、といった複数サービスを横断したマーケティング施策が可能となります。
有園:DMPと併用することも可能なのでしょうか。
海老澤:そうです。他のベンターのように「顧客から競合他社を排して自社のサービスで固めてしまう」といった営業戦略では、逆にTealiumのメリットである「中立性」を殺すことになります。複数サービスの共存による新しい価値の創造こそがTealiumの存在意義と言えるでしょう。
ロイヤリティを向上させる「Influence DMP」とは
デューリー:Tealiumでは、自分たちを「Influence DMP」と呼び、Webサイトに訪問したユーザーへコンバージョンを促し、サービスの利用頻度を上げてもらうことをミッションと考えています。他のDMPは、どちらかというとユーザーの新規獲得つまりAcquisitionを目的とするケースが多かったからです。
有園:つまり、Tealiumはロイヤリティを向上させるDMPということですか?
デューリー:はい。ユーザーが、そのブランドやサービスに対するイメージや価値、ライフタイムバリューといったブランドのロイヤリティを高めていくところです。
有園:整理します。Acquisitionと呼んでいるのが、新しいユーザーをサイトに連れて来ることで、Influenceはコンバージョンやロイヤリティをあげることですね。
デューリー:そうです。Webサイトへ訪問するユーザーの行動に即したメッセージを送り、その結果としてユーザーに影響を与えていくということで「Influence」と呼んでいます。
有園:Tealiumがフォーカスしているのは、このfunnelでいうところのInfluence側にあるということですね?

デューリー:そうです。今までのDMPはAcquisitionにフォーカスしており、例えば属性情報の類推やシミラーユーザーへのターゲティングなどユーザーの新規獲得を目的とした機能に力を注いでいます。Tealiumでは、サイトに足を運んでくれたユーザーに働きかけるのが目的です。
有園:funnelが左右にあるのは?
デューリー:ユーザーが来て、Acquisitionして、Influenceして、そこで、いろいろな行動ができます。DSPやSocialやSearchなど、いろいろなアクションを行うことができます。
海老澤:プライベートDMPもファーストパーティデータ(サイト内の行動履歴や顧客情報など企業内に存在する情報)を活用するのですが、それをサイト外におけるリマーケティング広告に使っているケースが多くて、サイト内の施策にはあまり使われていません。そうしたところを、Tealiumだとタグを使って色々なサービスを呼び出すことができるので、その可能性は広く対応できます。
有園: Influence DMPって何かというと、コンバージョンとかロイヤリティに対してInfluenceさせる、影響を与えるってことに御社のアドバンテージ、強みがあるわけですね。
デューリー:その通りです。