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タグマネジメントから「リアルタイムオーディエンスマネジメント」へ/進化を遂げたTealiumの躍進

デジタルデータ・ディストリビューションのコンセプト

有園:フォレスターリサーチが、デジタルデータ・ディストリビューション(Digital Data Distribution )という考え方を2013年頃に発表していますが、その内容をご説明いただけますか。

海老澤:Digital Date Distribution Platform(以下、D3P)とは、各所に散在するデジタルデータを効率的に集約し、それを積極的に活用していくための環境のことです。タグやシステム連携を利用して収集した情報からユーザーをセグメント化し、それを他のデジタルマーケティングサービスにディストリビューションするところまで担当します。

有園:ディストリビューションしていく先は、どこになりますか?サイトにタグを入れて収集できたデータを配信する先は、どのようなところでしょうか?

海老澤:アクセス解析・A/Bテスト・CRM・アドネットワークなど、連携できるサービスは無数に存在します。

有園:例えば、アクセス解析なら提供されるタグをWebサイトに挿入することでユーザーの行動を計測し、そのデータを解析するじゃないですか。Tealiumで収集した場合とどう違うのですか?

海老澤:収集・分析した情報を様々なサービスに引き渡せることができるか否か、ということが大きな違いです。アクセス解析ツールだと、どうしても連携できるサービスに制限があることが多いのですが、Tealiumで作成したセグメント情報ならどんなA/Bテストツール・CRM・アドネットワークでも連携が可能なので、例えば流入した広告の情報をCRMにとりこむ・カートに挿入した商品の情報をアドネットワークに引き渡す、サイトの行動や訪問回数を元にA/Bテストでクリエイティブを出し分ける、といった活用が可能となります。

 これができるのは、Tealiumの立場がニュートラルだからです。似たような機能を持っているところはありますが、DSPの付随サービスとして提供されているようなタグマネジメントでは、そのベンダーの競合とあたるサービスにデータを渡せるかというと、何かしらの制約があります。その制約をお客さまは嫌がるわけです。

有園:さらに、御社にはデータ・アクティヴィズム(Data Activism)という考え方もありますね。

海老澤:D3Pというプラットフォームを使って集約したデータをアクションに生かして行きましょうということです。ユーザーのステータスをリアルタイムに確認し、その状況にあわせて配信するメッセージを最適化していくことが、データアクティビズムのコンセプトとなります。

有園:私は今、デジタルデータ・ディストリビューションとは、パソコン上を想定していますが、スマートフォンやタブレットなどデバイスをまたいだ場合はどうなりますか。

海老澤:デバイスをまたいだ場合の対応もD3Pの役目です。Tealiumではユーザースティッチング機能(スティッチとは「縫い合わせる」という意味)は、複数のデバイスで発生したユーザーの行動履歴を「会員番号」「メールアドレス」「ソーシャルID」といったユーザーの識別情報をキーとして1本化していきます。オフラインのデータの取り込みもあります。POSレジや顧客データベースなどオフラインの情報を取り込むことも可能です。

有園:クレジット会社のデータや、日本でいうTカードやPontaといったカードの購買履歴も繋がる可能性があるのでしょうか。

海老澤:はい。

有園:それをユーザースティッチングで縫い合わせて、繋ぎ合わせていくことをサービスとして持っているわけですね。もちろん100パーセント繋がるわけではないけれど。名寄せできたユーザーごとのセグメントに分かれているかもしれませんが、そのデータが、そのままsalesforce.comに引き渡されたり、Googleアナリティクスに引き渡されたり、あるいは、どっかのDMPに引き渡されたりすることを実現するハブみたいなサービスでしょうか。デジタルデータ・ディストリビューションという考え方を具現化しているのが、御社のサービスであるということですね。

海老澤:まさに、その通りです。

広がるタグマネジメントの可能性

有園:最後に、日本におけるタグマネジメントの将来を聞かせてください。

海老澤:そもそも、タグマネジメントを、どのような位置づけで扱っていくべきかという考え方を、きちんと持っている企業は少ないと思います。タグマネジメントというと落とし穴的な、完全な技術でもなく、完全なマーケティングでもない、誰が担当するのか。その辺が整理できていなくて混乱している会社も多いです。

私はアナリティクス・アソシエーション(旧アクセス解析イニシアチブ:a2i)などでも講演するのですが、私が長年蓄積したタグマネジメントのノウハウをTealiumで実践することにより、新しいタグマネジメントの形が見えるのではないかと期待しています。

有園:日本のタグマネジメントの第一人者である海老澤さんが、Tealiumの活用方法を伝授するというわけですね。これは大事だと思います。

海老澤:私もタグマネジメントで、いろいろと不便とか不自由さを感じていて、Tealiumだったら、それを超えられると感じました。Tealiumだけあったって、それだけでは使いこなせません。考え方をしっかり持たないと。その辺を、きちんと上手く連携できれば、それを理解して使っていただけるのではないかと強く期待しています。

有園:ありがとうございました。

本記事は「Unyoo.JP」の記事「タグマネジメントから『リアルタイムオーディエンスマネジメント』へ進化を遂げるTealium~その躍進の秘密」を要約・編集したものです。長編のオリジナルコンテンツを読みたい方は、こちらをご覧ください!

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2015/05/08 08:00 https://markezine.jp/article/detail/22393

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