第三者配信なら、minneの世界観を棄損しない
――minneでは第三者配信とテレビCMの施策を組み合わせて、目標CPI入札にシフトされたと聞いています。具体的に教えてください。
杉山氏:実は、minneはこれまで大規模な広告出稿はしてきませんでした。ですが、先ほど申し上げた通り、今期はminneの規模拡大を目指す方針をとったので、2015年2月からテレビCMを始めました。そのタイミングでTwitterにも出稿しています。
その際に非常に良い成果が得られたので、継続して利用しています。そして5月には、さらなるエンゲージメント向上を目指して、1か月間第三者配信を行いました。週1ペースで新クリエイティブを追加していました。CPI入札に関しても、基本的にはDeNAさんと同じで、KPIは新規獲得がメインだったので上限を設定していました。
第三者ツイート配信
ユーザーに大きな影響力を持つインフルエンサーのツイートをプロモツイート(広告ツイート)として配信するサービス。通常のツイートはフォロワーにしか配信されないが、このツイートは、アカウントのフォロワー以外にも、ターゲティングした任意のアカウントに配信することができる。もちろん、第三者ツイート配信がされたツイートには「プロモーション」表記が入る。
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――CtoCサービスのminneはすでに作家とユーザーによって、世界観が形成されているかと思います。そこを崩さずに広告を打っていくのは難しそうですね。
杉山氏:だからこそ選んだ第三者配信でした。購入層のイメージに近づくように、読者モデルなどではなく一般の方で、ファッション感度の高い女性4名を選び発信してもらったのです。今までは作品を訴求していましたが、「こう使ったらかわいいよ」というような購入体験の部分を施策で押し出すことができました。作品を買った後の使い方までイメージしてもらえたかと思います。
――素人の方にお任せするのには、勇気が要りませんでしたか?
池田氏:事前にその方がどういったツイートをしているのかリサーチしたうえでお願いしたので、不安はなかったですね。ツイート内容も、写真付きであること、minneで購入したことを明記すること以外は、全てお任せしました。おかげで、「こういうの買ったよ」とか「こういうアクセに合わせるといいかも」など、様々なメッセージを発していただけました。
杉山氏:成果としても、エンゲージメントは1.6倍、獲得数は4.5倍になりました。CPIについても大幅な削減に成功しています。非常によい結果が出せたのではないかと考えています。
Twitter経由で獲得が約5倍に、圧倒的な獲得ボリュームと拡散力
――他の媒体でも施策はされているかと思います。Twitterと比較したときに違いはありましたか?
杉山氏:そもそも、獲得できるボリューム感が全く違いますね。
川口氏:それは私も感じました。特に若年層向けのプロダクトだと顕著です。また、Twitterの強みであるリアルタイム性があるので、テレビ連動の際は飛び抜けて良い結果が出た印象です。具体的には、Twitter広告経由で入って来たユーザーは、CM前に比べて約5倍に増えました。
池田氏:拡散のされやすさも特徴だと思います。minneで出したクリエイティブに対して、「この右上の指輪が欲しい」などの感想付きでリツイートしてくれるかたが多いです。多いものだと1つのツイートが1,000回以上リツイートされました。
――ユーザーを大量獲得すると、その分ユーザーの質が下がるような気がします。
池田氏:最初はそれを懸念していたのですが、実際はむしろ購入に前向きなユーザーが増えた印象です。ツイートを見て「これほしいな、私も使ってみたいな」と思って訪れてくれるためでしょうか。登録率も他媒体より高めですね。
また、元々のユーザーは20代以上の女性が多かったのですが、ユーザーの年齢層もぐっと広がり、多様性も出てきたと感じています。
川口氏:弊社でもRR(リテンションレート)や課金率が通常よりも良かったですね。きちんとターゲティングをして、興味のあるユーザーに絞って訴求できたことが効果的だったのだと思います。