大事なのはツールの導入後、継続的にPDCAを回せるかがカギ
「具体的にこの4軸(予算、機能、実績、営業担当)でスコア化し、判断しました」と仲田氏。機能面では特に、1社のベンダーで完結するのか、複数社の関与が必要なのかを見極めたという。ワンストップで時間やコストのロスなくマーケティングを実現するため、それが可能なツールを評価した。
また、営業担当という軸を挙げた経緯について、「実は過去に導入したツールで、結局使いこなせなかったものもある」と仲田氏は振り返る。ベンダー側の営業担当は導入自体が目的化しがちなため導入後のやり取りが不足したことであり、それによってPDCAを回せなかったことが原因だと分析し、この軸を重要視するに至ったという。
CCMPの導入を決定するにあたり、営業担当という軸がどう効いたのかという遠藤氏の問いかけに、仲田氏は「多くのベンダーさんは『我が社のツールなら』と自社を主語にして語ります。でも遠藤さんは『キャリアデザインセンターさんの希望はこうですね』と、当社を主語にして話されていた。今後もパートナーシップを築いて、継続的に成果を上げていくことができると感じました」と応じる。
今後はCCMPを活用し、まずは「これから転職活動を始めるユーザー」と「会員登録直後のユーザー」の活性化を図っていく。顧客ピラミッドのうち、ちょうど中間層へのアプローチから着手する意向だ。「適切なシナリオに基づいて、ユーザーとの接点を強化していきます。いずれ当社の人材紹介サービスやWebマガジン、リアルイベントなどのサービスとも横断して情報をつなぎ込み、より深いコミュニケーションを図るのが理想です」と仲田氏は抱負を語った。
店舗連携でさらなる売上拡大を狙う、業界最大手の総合アパレルメーカーのECサイト
2つ目の企業事例には、同社 クロスチャネルマーケティング部 シニアマネージャーの近藤嘉恒氏を聞き手に、ファッション業界を代表する大手総合アパレル企業のEC担当者を迎えた。同社はCCMPの導入を決定し、クロスチャネルマーケティングへ挑んでいくという。
登壇した老舗アパレル企業の公式オンラインストアは、オープン以降右肩上がりで成長しており、2015年も2桁成長を見込んでいる。チャネル別の売上構成はメルマガ経由が最も多く、リピーターに絞るとその比率はさらに高まる。さらなる拡大のため、店舗会員との統合、またEC化率の引き上げが見据えられていた。
その屋台骨として、同社は今年、ECのシステムや物流、コールセンターまでを一新。プロモーション施策に関しては、マーケティングオートメーションツールの導入が検討された。CCMPを選んだ理由について、「当社が実現したいことがしっかり行えるか。担当者に余計な作業負荷がかからないか。そして、パートナーとして一緒に課題解決に取り組めるかという3点を重視しました」と担当者は語る。
またクロスチャネルでの成功事例として、メールマガジンのクリエイティブをPCやスマートフォン、タブレットなど、ワンソースでマルチデバイスに対応できるレスポンシブメールデザインに変更したところ、CTRが女性で110%、男性は120%にまで伸長し、手応えがあったことも明かされた。今後の展望として「売上への影響度の高いメルマガでのアプローチの精度を高めながら、店頭の接客力をどうECに活かすかというテーマにも挑戦したい」と意気込みを話した。