インサイドセールス、営業へのリード展開に効果
手始めに、4月に出展した展示会の来場者へのメール配信から、マルケトの活用を開始した。マーケティングからインサイドセールスおよび営業でのフォローへとつなげると同時に、この展示会を皮切りに既存の特定分野のお客様を含めたナーチャリングを行った。
現場を担当した高橋氏は、「最初なので他の環境との同期などに多少の複雑さがありましたが、既存のメルマガ会員と顧客データベースの統合によって、定期接触可能な配信数が1.7倍になりました。今回得た改善点を反映させながら、今後はリードナーチャリングを活用することで、よりよい結果を得られるのではと考えています」と話す。
インサイドセールス、そして営業部門へも、これまでより多くのMQL(Marketing Qualified Lead:マーケティング活動によって創出された案件)をお客様の興味がある分野を絞り込んだ形で引き継ぐことで営業効率の向上につながっているという。単純に電話をかけるのではなく、やはり人の目でお客様が興味をもつ分野などを確認してから話をする方が、より効果が上がるそうだ。
駒井氏はマルケト導入について、部門横断的にプロジェクトチームを編成したこと、またパートナー企業の存在も大きかったと語る。「今後、マーケティングコミュニケーションではコンテンツや施策の効果測定を実施し、全体での成果の拡大へつなげたいですね」駒井氏は今後のマルケト活用に意欲を見せる。
IT投資により3年で売上が3倍に、クレストのマルケト活用
次に登壇したのは、クレストの取締役執行責任者 永井俊輔氏。同社は屋外広告の制作やショーウィンドウのVMD(Visual Merchan Dising)といったサイン&ディスプレイのBtoB事業を展開する傍ら、数年前からガーデニングショップ「IN NATURAL」を展開、BtoC事業にも乗り出している。
名立たるアパレル企業をはじめ、サイン&ディスプレイ事業のクライアントは4000社を超えるが、近年の売上は約10億円で横ばいを続けていた。そこで2012年、IT投資の一貫としてセールスフォースを導入。すると同年の売上は15億円、2014年には24億円と急激に伸長した。「ただ、このまま右肩上がりが続くとも思えなかった」と永井氏。そこでこの伸びを継続させるため、2014年にマルケトを導入し、早くも今年は31億円の売上見込みだという。
「当社は全体で100人弱の企業で、インサイドセールスのような概念や部署はありません。マルケト導入以前は、見込み客リストの上から順に営業がどんどん電話し、アポが取れれば商談、見積もり、受注へとつなげる昔ながらのスタイルでした。それがマルケトを導入し、コールドコールの前にマーケティングするというプロセスが加わったことで、効率が大幅に改善しました。見込み客への電話件数は4割減り、かつ最終的には高確率で受注できるようになったのです」(永井氏)。