リーチ率・成約率が急上昇、その秘訣とは
マルケトを活用したクレストのマーケティング活動は、「それまではLPの概念も知らなかった」(永井氏)という状況からは想像もつかないほど徹底的に行われている。まず、自社サイトを整備しブログを開設。これらへのタグ埋め込みによるサイト訪問、メルマガのリンクのクリック、YouTubeにアップしている商品動画の閲覧など、特定済みリードのあらゆる行動を捉え、営業へ逐一アラートが飛ぶようにした。
顧客の側からすると、ちょうど商品情報を見ているタイミングで営業から電話がかかってくるわけだ。当然、アポも取りやすい。さらに永井氏は、独自の手法を開発している。例えば「Hot D2D」は、Hot ドアtoドア。「要は『立ち寄れるなら電話ではなく即訪問しろ』と(笑)。この手法も効率が良く、実際に受注につながっています」(永井氏)。
ほかにも、特定商材に興味があると分かった顧客にそのサンプルを送り、割引クーポンを得られるLPのアドレスを添えておく「OtoOtoO」——オンラインからオフライン、さらにオンラインへとつなげる手法も奏功している。
マルケトを導入して、営業部門からは「どんなパターンのカスタマージャーニーも手のうちにある。最高の環境」といった声が聞かれ、同部門長は「売上をあげられないのは努力が足りないといった精神論から一転、効率重視の科学的なマネジメントが可能になった」と手応えを得ているそうだ。「今後はBtoCのガーデニング事業へも応用したい」と永井氏は展望を語った。
マルケト連携ソリューション、続々登場
ユーザー会の最終パートでは、冒頭で福田氏が注力事項として語った、パートナー企業のソリューションが紹介された。
マルケトユーザーでもあるウイングアーク1stは、帳簿ツールやBIツールの領域で国内シェアNo.1を誇る。同社のBIダッシュボード「モーションボードクラウド」は、マルケトとの連携を標準搭載しており、分析した結果を可視化し分かりやすくレポートすることが可能だ。「現在、マルケトユーザーに使いやすいテンプレートを開発中です。ユーザーコミュニティーからのフィードバックを元に、継続的に改善していく予定です」と、同社 石橋史啓氏。
また、リターゲティング広告のプラットフォームを展開するAdRollは、8月下旬にマルケトとの直接連携を発表したばかり。マルケトからAdRollのダッシュボードへログインし、マルケトに蓄積した顧客データを使ってROIの高いキャンペーンを展開することが可能になった。
リターゲティングは、一度接触した顧客や興味が顕在化したユーザーへのアプローチと思われがちだ。しかしAdRollでは、同社が世界規模で有する10億ものプロファイルデータを活用して、ターゲットを拡張することができ、新規顧客の発掘も行える。同社中村晃氏は「ユーザーの関心度に合わせて最適なメッセージを訴求する、フルファネルでの広告展開が実現できます。iAdやFacebook広告との連携も、ぜひ活用いただければ」と強調した。
半日に及んだ充実のユーザー会。セミナーパートの後は、懇親会で活発な情報交換が行われた。2回目のユーザー会にて「最も重要な事はユーザーコミュニティーの成長と活性化」と福田氏が語った通り、オンライン/オフラインでの知見共有が可能となり、着実にコミュニティーの広がりが生まれつつある。今後、マルケトおよびユーザーコミュニティーがどのような展開を見せるのか。これからの動向に期待の高まるイベントとなった。