キャンペーン概要
時期:2015年
国名:ポーランド
企業/ブランド:Imka
業種:エンターテインメント
最大69分のバーチャル観劇をInstagramで
人口200万人のポーランドの都市ワルシャワには、実に50の劇場があるといい、比較的小さなマーケットで『演劇が好きな人』を対象として日々熾烈な顧客獲得争いを繰り広げています。そんな劇場の一つであるImka劇場が、Instagramを使ったクリエイティブなキャンペーンを実施し、大きな成功をおさめたのでご紹介します。
Imka劇場がInstagramに投稿したのは、“座席からの舞台の見え方”。
全278席ある劇場の席から、“それぞれどのように舞台が見えるのか”がわかるように、実際の席から舞台を撮影した写真を公開しました。
また、ただ舞台の見え方がわかる写真を載せるだけでなく、278席それぞれの視界から、278通りの15秒間の寸劇を撮影した動画も公開したのです。
278通りの寸劇は、コメディー、スリラー、ミュージカル等あらゆるジャンルに渡っており、なんとストリップもあるといいます。撮影には全18名の俳優が協力しました。
さらに、「LikeAndBuy.it」アプリと提携。気に入った座席をその場で購入できるようにしました。その結果、見事に座席購入率はアップしたそうです。
座席からの視界を確認できるだけでなく、座席からバーチャルな舞台を観劇でき、気に入れば即購入できる本取り組みは、演劇ファンだけでなく、批評家や多くのメディアの注目を集めることに成功しました。キャンペーン開始後、発売された演劇のチケットは一瞬で完売したといいます。
mkaのInstagramページの平均閲覧時間は、約5.8分もあるそうです。278種類の寸劇を一つ一つ楽しんで、バッテリーがなくなるまでスマホにかじりついている人もいるかもしれません。
演劇ファンに、バーチャルな観劇体験を提供することで、チケット予約率・劇場来場率向上につなげた秀逸なInstagramキャンペーン。同時に“演劇がそれほど好きではなかった市民”にも、少なからず観劇に関心をもってもらうきっかけになったと推測されます。そういった観点からこの取組が、熾烈な競争の中で“シェアを広げる”だけでなく、“演劇が好きな人というマーケットを広げる”ことにも繋がりうる画期的なアプローチだと思います。
動画はこちら
先週の紹介キャンペーン
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記事転載元:AdGang