Bizoを買収、BtoBマーケティング支援を強化
押久保:バーディックさんは、昨年にリンクトインが買収したBizoの創業者で、そのままリンクトインに参画されたんですよね。まずは、それまでのご経歴を教えていただけますか?
バーディック:私は元々、ZoomInfoというソフトウェアベンダーでマーケターをしていました。私自身がBtoBマーケターだったんです。当時、BtoBのデジタルマーケティングを支援するソリューションが市場になかったので、それを社内で立ち上げ、スピンアウトする形で2008年にBizoを起業しました。昨年にリンクトインから誘いを受けて、売却したのです(参考:CNET Japan)。
現在当社で展開するBtoBマーケティングソリューション「リード・アクセレレーター」は、2013年にBizoで開発したものです。当時は「マルチチャネル・ナーチャリング」という名称でした。
押久保:今、リンクトインではどのような役割をされているんでしょうか?
バーディック:私はHead of BtoBとして、グローバルでBtoBを統括しています。クライアントが成功するための支援体制を整えることが主な業務です。
支援体制には、大きくプリセールスとポストセールスの2つのセクションがあり、前者ではアカウントマネージャーがセールスを担当、プロダクトコンサルタントがそれをフォローしています。後者では、マーケティングオートメーションコンサルタント、略してMACs(マックス)と呼ぶメンバーが、30日間の導入試験期間をサポートします。
アプローチする人と情報との関連性——“Relevance” が重要
押久保:日本では、BtoBはBtoCと比べてデジタルマーケティングに苦戦している印象があります。バーディックさんはご自身が元々BtoBマーケターだったとのことですが、BtoBのデジタルマーケティングの課題をどのように捉えていらっしゃいますか?
バーディック:BtoBマーケターの課題は、全世界で共通していると思いますね。つまり、日本では苦戦とおっしゃいましたが、グローバルでも同じような状況です。
特に究極のゴールとしてBtoBマーケターが貢献しなければいけないのは、売上の獲得です。そのためにリードを獲得して、見込み顧客を“お客様”に変えようと注力しますね。課題は、見込み顧客から顧客へと移行してもらう各プロセスにおいて、その段階でのそのリードに関連性の高い情報を届けるという点にあります。
関連性——“Relevance”は、当社がBtoBマーケティングにおいて非常に重視する概念で、キーワードとして掲げています。
押久保:各段階に応じて求められている情報、つまり関連性の高い情報を提供することが課題だと。
バーディック:ええ。これには、BtoCでパーソナライズが発達していることも背景にありますね。ECサイトなどではユーザーごとに異なるレコメンドが出てきますが、これはもうBtoCでは当たり前になっています。なので、BtoB領域でも同等のレベルが期待されるようになってるんです。